オーニングがあればテントなしでもキャンプを楽しめる
ここ数年、SUV・クロスオーバー系の台頭と共に盛り上がりを見せるキャンプブーム。外出自粛が続いている今は難しいが、コロナ騒動が収まったらチャレンジしてみたいと考えている人も多いのではないか。
だが筆者のようなビギナーにとって最大の懸念は、「なんか大変そう」。たとえばキャンプの必需品、テントやタープの設営だ。袋から一式を取り出して並べ、テントを広げてポールを通してハンマーでカンカンとペグを打って…と考えるだけで面倒に思えてくる。
「オーニングのセッティングは1人でも1~2分あればできる。作業自体、非常に簡単なので、アウトドア初心者でも戸惑うことはないと思いますよ」と静岡県のカスタムショップ・CDPシズオカの小倉代表。同社では“O.G Base”という四駆×アウトドアのブランドを展開し、サイドオーニングの販売や取り付けも行っている。
お手軽なカータープよりもさらに楽なオーニング
オーニングと似たようなアイテムに“タープ”がある。これは床面のないテントのようなモノで、クルマを支柱として活用する商品はカータープやカーサイドタープと呼ばれている。
これらカータープのいいところはお手軽さ。ogawaなどブランド品は数万円するが(ジムニーの純正オプションにもogawa製カータープあり。価格は3万9600円)、1万円以内で買える商品も多い。そういう意味ではキャンプビギナー向きといえる。
収納の際もタープは「折って畳む」必要があり、それもがけっこう手間なのと、折り目から生地が劣化しやすいというデメリットもある。また雨に濡れたらしっかり乾かす必要があるが、その際はまたいちいち組み立てないといけない。
「たとえば悪天候に見舞われた場合、雨に濡れながら苦労して畳んで、後日また晴れた日に広げて、乾いたらまた畳んで、とかなり面倒です。その点、サッと広げてサッとしまえるオーニングはとにかく楽。収納も丸めるタイプなので、生地にシワができにくく劣化しにくいです」。
オーストラリアの名門・ARB社のサイドオーニング
そうしたことを踏まえ、CDPシズオカではキャンパーたちにサイドオーニングを推している。具体的にはオーストラリアの有名四駆パーツメーカー・ARB社の商品になる。
「もともと車種専用の商品ではないので、キレイに使い勝手良く装着するにはひと手間必要。何もせずただ付けただけだとオーニングの位置が低くなり、車体ともスキマが空くため、雨天時はかなり水が滴ってきます」。
ちなみにサイドオーニングにはハイエースなどのキャンピングカーが付けているようなボディに直接付ける本格的なタイプも存在する。ここまで本気になると価格が張るのはもちろん、ボディへの穴開けが必要だったり、重量も非常に重かったりといろいろハードルが高くなってくる。
ルーフキャリア付きのクルマなら7~8万円で導入も
とはいえ、30万円はキツイなあ、愛車もジムニーじゃないしなあ、という人がほとんどだろう。そんな場合でも「何らかのルーフキャリアを装着している」という基本条件さえクリアしていれば、ARB製のサイドオーニングを装着できる可能性は十分ある。
「取り付け部分をワンオフするなど工夫すれば付けられるかもです。ただしどんな車種やキャリアでもOKとは限りませんけどね。予算は当店の場合だとサイドオーニング本体(4万7000円/5万3000円)+加工代(2万5000円~)で7~8万円くらいが目安です。車種がピンポイントになっちゃいますが、デリカD:5であれば、ARBルーフラック&ARBサイドオーニングの専用キットが間もなくリリース予定ですよ」と小倉さん。
そしてオーニングが活躍するのはオートキャンプ場だけではない。ルール&マナー違反にならない場所であれば、どこでも手っ取り早くアウトドアを楽しめる。たとえば今日は天気がいいから外でランチでも、といった時にも使える。
「ARBサイドウィンドブレイクやARBデラックスオーニングテントといった、ARBサイドオーニングに追加できるオプション品も用意。お客様の中にはオーニングを付けたのがきっかけで本格的にキャンプにハマったというケースも多く、そうした方がステップアップできる余地もあります」。
【取材協力】
C.D.Pシズオカ(O.G Base)
◆静岡県静岡市駿河区下川原4-27-1
◆tel.054-257-5146
◆https://cdpshizuoka.com
◆営業時間:8時30分~18時
◆定休日:日・祝日四駆でアウトドアを楽しむためのカスタマイズを提案。ARB製品だけでなく、バンパーやオーバーフェンダーといったオリジナルの外装パーツも好評だ。代表の小倉さん自身、古くから四駆とキャンプを愛するベテランユーザー。