KINTOは任意保険料込み
「サブスクリプション」略して「サブスク」という言葉を耳にすることが増えている。ビジネス界隈では新しいビジネスモデルとしてもてはやされているが、あえて日本語で表現すれば「会員制・定額制」のビジネスといったところだろうか。サービス提供側としては、日々の売上が安定するというのがメリット。アプリなどのサブスクでは常に最新の状態で利用できるというのがユーザーメリットとして指摘されることが多いだろう。
では、自動車のサブスクリプションというのはユーザーにとって、どんなメリットがあるのだろうか。トヨタが『KINTO』という名前で始めた自動車サブスクリプションを例に、そのメリットを整理してみよう。
初めてならKINTOは有利
まず、自動車の場合は従来から車両を購入するのではなく長期間借りる「リース」という利用方法がある。リースにも様々な契約内容があり、単純に車両を借りるだけで諸費用は別途自分で支払うものもあれば、標準的なメンテナンス費用も含んでいるケースもある。
トヨタの「KINTO ONE」というサブスクリプションプランの特徴は、メンテナンス費用はもちろん任意保険(車両保険)までコミコミの定額制になっているという点だ。ご存知のように任意保険というのは、年齢や等級などの条件によって保険料が変わってくる。しかしKINTO ONEであれば定額制なので、保険料が高くなりがちな若年層においては新規で保険に加入するよりも、かなりお得になると予想できる。
またKINTOの任意保険は個人とは紐づけされないので、仮にKINTO契約車で事故を起こしたとしても、自分の等級には影響しない。逆に、KINTOを利用していても保険等級が上がっていくこともないわけだが……。
最短1年半で乗り換え可能
この一点をもってしても、トヨタが始めた自動車サブスクリプションサービスは魅力的だが、さらにサブスクらしく車両の乗り換えもリースに比べるとイージーにできるようになっている。
KINTO ONEには3年/5年/7年のプランがあるが、3年プランであれば最短で一年半後、それ以外は3年後(6か月毎)に『のりかえGO』というサービスを利用することができる。手数料は必要となるが、中途解約金を払うよりも金銭的な負担を少なく乗り換えることができる。
たとえば、子どもが生まれたのでコンパクトカーを契約、成長に合わせてミニバンに乗り換えるといったことも容易にできる。その逆に、子どもが独立したのに合わせてダウンサイジングするといった乗り換えも考えられる。いずれにしてもライフステージに合わせて最適なクルマ選びがリーズナブルにできるのだ。
ちなみに、レクサスのモデルを「KINTO FLEX」というプランでサブスクする場合は「3台/3年」と「6台/3年」という2つのメニューが用意されている。
つまり、毎年や半年ごとに新車のレクサスに乗り換えるという贅沢なカーライフを送ることができるのだ。なお、選べるモデルは「ES300h」「IS300h」「RC300h」「RX450h」「NX300h」「UX250h」と限定されるが、月々17万6000円~19万8000円(税込み)という費用は、十分にリーズナブルといえる。
金額的に絶対的な負担は軽いとはいえないが、半年ごとに新車のレクサスに乗り換えるというのは、リースでは考えられないもので、まさしくサブスクだからできるクルマの新しい楽しみ方だ。いろいろなクルマを気軽に味わえる自動車サブスクリプションの時代は、すでにやって来ている。