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故障と無縁と思っている90年代車も立派な旧車! 定期メンテ必須の10のポイントとは

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

6)水まわり

 現在のエンジンはブロックもアルミ化されているので腐食しにくい。旧車は鉄ブロックが当たり前で、冷却水は車検ごととかに交換しないと内部にサビが発生して堆積。ラジエータにも詰まってオーバーヒートにつながることも珍しくない。出てしまったサビを除去するのは非常に難しいが、サビが出始めてすぐなら対処できる可能性が高い。

 オーバーヒート気味だからといって、ラジエータをコア増しするなどの対処療法は行なわず、まずは洗浄してからの話。これはよく言われることだが、「旧車だって当時は普通に使われ、問題なく走っていた」のだ。“旧車だからこんな程度”では当時の人々も困るだろうに…。

7)点火系

 点火系で消耗品といえるような物は今ではプラグぐらいしか残っていないし、こちらも超ロングライフ化が進行中だ。一方1990年代までの車両の場合、点火系は消耗品の塊。ローター、キャップ、ポイントのディスビ3点セット(ポイントはもっと古いクルマだが…)。さらに言えばディスビ自体も消耗品だ。プラグコードは被膜が硬化してリークしたり、高電圧を発生させるイグニッションコイルも劣化はする。プラグも当然消耗品で、マメな点検とケチらず交換するのが正攻法。

8)燃料系

 今やバイクでも絶滅状態のキャブレターは、季節ごとの調整が必要。過走行車だと調整では元に戻らず、オーバーホールも必要なこともある。また当時の燃料タンクは鉄製ゆえ、サビが大量発生してキャブに詰まって、そうなると当然走りも不調に。ちなみにタンクがダメだと手間も費用もかなりかかるので要注意なのだが、それだけに旧車販売店や整備工場は手を出したがらない。購入するときのチェックポイントでもある。

9)ボディ

 ボディもメンテナンスが必要と聞くと驚くかもしれないが、塗装の劣化を防止するためにワックスをかけるのも立派なメンテ。見た目だけでなく、機能的にも重要なのが、旧車のワックスがけだ。さらに下まわりは点検して、サビが出ていないかを確認。アンダーコートが剥がれていれば補修しておく。またサイドシルやドアなどには、ボディ上から伝ってきた雨水を抜く水抜きの穴があることが多いが、もし詰まっていたら棒などで突っついて取り除いておこう。

10)エアコン

 その昔は正確にはクーラーだったが、いずれにしても冷え具合を確認。ガスも漏れるので補充が必要となるが、問題はガスの種類。R134aというのが最近の規格だが、旧車の場合はR12というものを使っている。冷えは良いのだが、オゾン層への影響が深刻で現在入手は困難。代替フロンやシール交換などいろいろと手はあるが、いずれにしても手間も費用もかかる。

 以上、ざっと旧車のメンテでの10のポイントというかパートを紹介したが、走行距離だけでなく、時間でもクルマは調子を崩していくことを忘れないようにしてほしい。ここまで読んで手間がかかりすぎると思うかもしれないが、これが旧車を維持するということ。自分でできる部分も多いので、トライする際は手順や内容をよく吟味してから行なおう。とくにネットの情報は武器にもなるが、根拠がないものもあることを忘れてはいけない。

 最初から程度の良いものを買うというのも手ではあるが、このように軽く挙げただけでもこれだけポイントが出てくるわけで、ちゃんと手を入れているかというのが重要になってくる。

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