社外パッドでホイール汚れを低減できる
愛車をピカピカに保ちたいというのは誰もが願うこと。洗車やワックス、コーティングなど、日々のケアに余念がないユーザーも多いことだろう。ところが、せっかくボディは美しいのに、ホイールが黒ずんだ汚れで台無しになっているクルマを目にすることがある。
この問題、もしすかするとブレーキパッドを交換することである程度解決できるかもしれない。ここでは構造的にブレーキダストが目立ちやすくなるディスクブレーキについて説明していきたいと思う。
汚れの放置はホイール表面を痛めることも
ホイール汚れの主な原因はブレーキダストが蓄積したもので、雨天走行をしなくても走る分だけ汚れが発生してしまうからだ。そもそも車のブレーキは、ブレーキペダルを踏むと油圧によってブレーキキャリパー内のパッドが回転するローターに押し付けられる「摩擦」によって制動力を発揮している。この時のパッドとローター双方の削りカスが飛散してダスト化しているのだ。
制動力を重視する輸入車では特にブレーキダストが多い傾向なので、ちょっと走るとホイールは汚れる。ブレーキダストにはローターからの鉄粉を多く含んでいるため、放置すれば固着して頑固な汚れになってしまう。最悪の場合はサビでホイール表面が腐食してしまう可能性もある。マメに洗わないと、せっかくのアルミホイールが残念なルックスになりかねないので注意が必要だ。
制動力を維持しつつダストを低減できる
そこで注目なのが、社外品にて用意される低ダスト仕様のブレーキパッド。これが市場にリリースされはじめた頃は「ダストは減ったけど効きが悪い」というユーザーの声もあったが、その後に材料などの研究開発が進み、いまや低ダスト化を図りつつ純正品と比べて遜色ない効きを確保している。
なかには純正以上の効きやタッチを実現した高性能なパッドもあるので、安心&安全を求めるなら一石二鳥のカスタマイズも可能。スポーツカーでの街乗り&ワインディング走行でも十分な制動能力が確保されているので、サーキットでも走らない限りは低ダストパッドを選ぶのが賢明といえそうだ。
ブレーキローターの消耗も抑えられる
じつは低ダストパッドは節約にも貢献しており、一部の車種では大きな出費を抑えることができる。前述したとおり、ブレーキダストはローターの削りカスが大半なのだが「ダストを抑える=ローター攻撃性を減らす」ということになり、ローターの長寿命化というメリットも得られるのだ。
輸入車などはローターも消耗品と割り切っているので、かなり削れる傾向がある。国産車でもブレンボなどの高性能ブレーキシステムでは、ローター交換の単価がウン万円という高額なこともあり、低ダストパッドによってローター寿命を延ばすことで大きな出費を先送りできるのだ。
いままでブレーキパッドを交換するタイミングといえば、消耗した時かスポーツ走行のための強化品が必要な場合というのが一般的だったが、これからは「新車に低ダストパッド」というのもひとつの手段かもしれない。
まだローターも新品でアタリがつきやすく、ホイールの汚れも抑えられて美しい外観のキープが可能。さらにローターの消耗も抑えられるのだから、まさに賢者の選択といえるのではないだろうか。