愛犬と非日常感を満喫するアウトドアライフ
愛犬とキャンプに出掛けるのは、飼い主にとっても愛犬にとっても、最高のアウトドアライフと言っていい。愛犬同伴型リゾートホテルよりも自由でのびのびと、大自然の中で過ごすことができ、飼い主と愛犬の距離もグッと縮まり、楽しく思い出に残る体験となるはずだ。
ただし愛犬とのキャンプでは、それなりの注意事項がある。まずは季節と天候。犬は1年中、毛皮を着ていて、暑がりであることがほとんど。発汗は足の裏でしかできず、体温調節が苦手なのである。よって、真夏の気温が高い場所はNGと考えたい。
できれば気候の安定した春・秋に限定するか、夏なら高地の涼しい環境がいい。どうしても真夏の暑さの中に愛犬とキャンプに行くなら、テントチームとエアコンを完備したコテージチーム(女性陣もこちらを好むだろう)と分かれることも考えたい。
そして目的地のキャンプ場そのものの選択だ。ただペットOKのキャンプ場を選ぶのではなく、愛犬ができるだけストレスなく過ごせる、ペットNGエリアの少ない、あるいはペット連れの多いキャンプ場を選ぶべきである。そうでないと、思いっきり楽しめない愛犬とのキャンプになってしまう。
クルマで移動をするときにも注意点がある。ペット連れのキャンプでは、持っていく荷物が一段と多くなってしまうはずである。わが家の場合は犬専用の食器、フード、水、ケージやマットレス、うんち袋、うんちが臭わない袋、トイレシーツ、タオル、ペット用ウェットティッシュ、専用日よけ、充電式扇風機、ペット専用防虫アイテムなどまで用意するから、荷物は1.5倍に膨れ上がる。
もちろん、それらの荷物を無理なく積めるクルマで出掛けるのだが、問題は人と犬と荷物のフォーメーション。基本は、犬と荷物を別の場所に乗せること。3列シートミニバンで、家族4人であれば1/2列目席に飼い主家族、3列目席に愛犬、3列目席のフロアとラゲッジスペースに荷物(ルーフボックスを使う手もある)というのが理想だ。
どうしても犬と荷物の一部を同じスペースに乗せ、積まざるを得ないなら、クレートトレーニングができている犬をクレートに入れ、荷物をしっかり固定すること。犬はガタガタ動くものに敏感で、怖がり、多大なストレスになるからだ。無論、季節を問わず、エアコンの風が届く、飼い主の目が届く場所に乗せるのが、安心・快適・安全上、鉄則である。
開放的になりがちだが基本的にリード着用
キャンプ場は大自然の中にあるのが普通だ。当然、草木が茂り、特に夏は害虫対策が不可欠。ペットを死に至らしめる可能性があるフェラリアを媒介する蚊や、ダニ、ノミが生息。フェラリア症予防薬やダニやノミに対する薬を投与しておくことが絶対である。現地では、電池式の蚊取り器(アースノーマット)や、ペットにも使える虫よけスプレーを使い、飼い主はもちろんペットも害虫から守ってあげることが必須となる。
ちなみに飼い主のボクと言えば、蚊よけアイテムでフル武装して、周囲に変人扱いされているが、実は、常に近くにいる愛犬のためでもあるのだ(言い訳)。
テントを張る前には、愛犬の居場所を確保することを忘れずに。いかにかしこい犬でも、さすがにテントの設営は手伝えないから、誰かが散歩に連れ出すか、近くで待機させるのが基本。そのため、愛犬が安心して待っていられる場所をいち早く確保。簡易テントでもいいし、防水タイプのマットレスを敷き、マイスペースにしてあげるといい。
キャンプ場での愛犬は、基本的にリード着用だ。そのため地面に刺すポール(ドッグアンカー)を利用すると、便利で安心である。もちろん、ペットNGエリアには絶対に入らないこと。どこがNGなのかも事前に確認しておきたい。排泄物の処理はキャンプ場の規則、指示に従うこと。
おしっこなど、キャンプフィールド外で済ませるのがマナーである。また、炊事場での洗い物や風呂の利用時を含め、飼い主が離れる時には、愛犬は愛犬同伴型リゾートホテルのように鍵のかかる部屋にいられるわけではないので、安全のためにも、決して愛犬だけを残すことのないようにしてほしい。
キャンプ場の中には、直火を使えるところもあり、アウトドア料理やキャンプファイヤーを楽しめるが、犬は絶対に火に近づけないこと。火の粉がまったり、燃え盛る炭の破片が飛び散ったりして火傷をする可能性もある。そうした危険を知らない犬にとってはかなり危ない場面であることを肝に銘じよう。
というわけで、愛犬とのキャンプは、それなりの準備、対策、マナー、配慮が必要だが、愛犬と非日常感満点の自然を満喫するアウトドアライフを楽しむのにもってこいの体験、思い出となるはずだ。