サーキットを征する走行性能を追求
1998年の販売開始からすでに20年以上、日本国内では2009年から正式に導入され、ヤマハのスーパースポーツのフラッグシップモデルとして常に進化を重ねてきたYZF-R1。そのスーパースポーツ「YZF-R1M」、そして「YZF-R1」がモデルチェンジを受けた。 クロスプレーン型クランクシャフト採用の水冷4ストロークDOHC直列4気筒997cm3エンジンを「リニアリティとトルク感」の向上を目標に進化させた。燃焼系ではスロットルバルブと燃焼室を近づけるために新作したシリンダーヘッドとバルブ傘裏狙いの斜流噴射のインジェクターを搭載し、低・中回転域の燃焼速度を最適化。さらに、高回転域ではセカンダリーインジェクターからの噴射が加わり良好な燃焼に貢献する。
動弁系ではフィンガーロッカーアーム式バルブシステムを採用し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上。各コンロッド大端部へのオイル供給に「センター給油方式」を採用。コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図り、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを低減してもいる。また、APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)を採用し、軽量化と優れた操作感を実現している。 また足回りでは、エンジン特性に合わせて前後サスペンションのセッティングを、伝わりやすい“接地感”を主眼に最適化。 海外仕様で搭載されていた電子制御システムを全て見直し、さらにEBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)の2種の制御システムを追加。また、制御システムに合わせ、TFT液晶4.2インチメーターの表示機能も変更している。 優れた空力特性を実現する新設計のカウリングも採用しており、ライダーが上体を伏せた姿勢でライダーがカウルの中におさまるよう走行風の流れをコントロールすることで、エアロダイナミクス特性を高めている。また、軽量コンパクトな新型LEDデュアルヘッドランプ、そして新デザインのポジションランプを採用した。 ちなみに「YZF-R1M」は、「YZF-R1」をベースにオーリンズ製電子制御サスペンションに、これを統合制御するERS(エレクトロニックレーシングサスペンション)、フロントサスペンションにはガスシリンダーを搭載。アルミバフがけタンクおよびリアアーム、そしてカーボン・カウルを採用しているモデルとなる。 ボディカラーはYZF-R1が「ディープパープリッシュブルーメタリックC」と「ブラックメタリックX」、YZF-R1Mが「ブルーイッシュホワイトメタリック2」がそれぞれ設定される。価格はYZF-R1M ABSが319万円(税込み)、YZF-R1 ABSが236万5000円(税込み)。発売は2020年8月20日からとなる。
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https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r1/index.html