飛び抜けた個性を持って生まれたクルマたち
「クルマは時代を写す鏡」と言われたりするが、当時は真面目でも、いま見ると“オヤオヤ?”と思わせられるクルマというのがあったりする。バブル時期には資金はあっただけに「作りたかったから作ってみた」的な軽いノリも多い。それらが個性というもので、デジタル化やマーケティングなどで個性を抑え、平均化されてしまった現代のクルマにはない個性的なカタチやコンセプト、はたまた面白ネーミングなクルマたちを集めてみた。
【エスカルゴ】
日産のパイクカーといえばBe-1にはじまり、パオ、フィガロの3兄弟がおなじみだが、正確にはこちらも含めるとする説が強いし、新車当時もパイクカーとしての扱いがされていた。それが「エスカルゴ」。要はフランス車によくある、乗用車とバンをドッキングしたようなライトフルゴネットタイプのクルマだ。もちろんデザインはカタツムリそのもので、いまでもこの系統を維持していたら面白かったのに。
【bBオープンデッキ】
昔から生真面目なトヨタ。最近では見かけなくなったが、2000年ぐらいまでは突然へんてこなクルマを出すことが多かった。bBはまさにそれだし、さらに笑撃だったのが「オープンデッキ」。モーターショーでの反応が良かったから出したようだが、ドアは観音開きだし、リヤはオープンデッキというだけに、ピックアップみたいになっていた。ただ、後から改装した感がまる出しで、選挙の街宣車みたいな感じだった…。
【インプレッサ・カサブランカ】
サンバーなどで火が点いた、クラッシックブームがインプレッサにも到来。そもそもクラッシックブームといっても、基本的には顔面移植なのでどうしてもバランスが悪くなってしまう。「インプレッサ・カサブランカ」も無理くり感が半端ないのは、いま見ると逆に新鮮かも!? というかクラシックブーム自体、なぜ熱狂したのか不思議な気もする。
【WiLL Vi】
面白い以前に、いまとなっては「当時は何がしたかったのか…?」と思ってしまうWiLL。異業種合同プロジェクトのことで、トヨタ以外では花王、アサヒビール、パナソニック、近畿日本ツーリスト、コクヨ、グリコが参加したもの。だからビールや家電などもあった。トヨタが最初に放ったのが「Vi」で、モチーフはかぼちゃの馬車。続く「VS」はステルス戦闘機で、「サイファ」はヘルメットという、バブル時代を彷彿とさせる自由っぷり。
【セレナ&ラルゴなどの日本語特別仕様車】
現在はなくなってしまったが、セレナの兄弟というか、家族にはバネットやラルゴ、バネット・ラルゴなど、多くのモデルがあった。それに存在したのがオーテックが手がけた特別仕様車で、この名前が笑撃。セレナには「キタキツネ」「ヤマアラシ」があり、
そのほかホーミーには「フウライボウ」もあって、ただの名前倒れではなく、オーテックだけにベッドを装備するなど本格的だった。それゆえオートキャンプブームやRVブームのなかで結構売れた。