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「ウソだろ? むかし数十万円で売っちゃった……」あまりの高騰ぶりに驚愕必至の国産旧車とその価格

そんなに価格が高い!? と驚かされる国産旧車

 中古車にも「価格が上がる」車種と「下がる」車種がある。前者の筆頭は、昔から「人気がある車種・もしくは世代」というイメージで、こちらは時代に合わせた安定した価格が維持され続ける。ところが最近は、以前なら激安・格安で流通していたような「価格が下がる」印象のクルマが、「びっくりするほどの高値」で販売されていることが増えてきた。

 そこで今回は、「えっ! 今、そんなに価格が高いの!?」と驚いてしまう国産旧車をいくつか集めてみた。かつての相場感を知っている人なら、「ウソでしょ!? ○○○○が×××万円もするの!?」と思うに違いない。

高騰が止まらないスカイライン

 国産中古車の中でも全般的に人気が高いスカイラインでは、以前より高価格モデルとして鉄板の3代目・ハコスカ=C10型のGT-Rがあった。続いて直6エンジンのGTに人気があったが、4気筒の1.5/1.8リッターモデルは、さほど価格は上がっていなかった。その後継ケンメリ(C110型)も同じような傾向だったが、ハコスカに比べると価格レベルは安かった。

 5代目のジャパンは、30年くらい前、高校時代の友人が「クルマもらった! ジャパンのGT、でも重ステ(笑)」と、嬉しそうに乗っていたのを思いだす。それほど安かった。6代目はRSが今なお高い人気を保つが、GTは数年前まで「穴」として薦められるような価格だった。

 それが、この2〜3年で状況は一変。ハコスカGTは300万円台を中心に、程度や改造の状況により600万円〜1500万円という凄まじい価格に。ケンメリGTも個体によっては500万円台以上がザラで、600、700万円の個体が多い。中には1000万円超えも!?

 実は筆者も3年前、ケンメリの4気筒モデル・GLを買おうと思って探していた。当時はまだ70万円くらいだった。しかし現在では、4気筒のケンメリも200万円をオーバーしている。こんなことなら、買っておけばよかった……と後悔しきり(涙)。ジャパンも200万円超、300万円台は当たり前になっている。

510/610型ブルーバードも高騰中

 日産の名車、ブルーバード。初代(310型)と、その次のピニンファリーナ・デザインを持つ2代目(410型)は販売価格100〜150万円程度が主流だが、続く3代目の510型になると、相場が一気に上昇。250〜350万円台での販売が多く見られる。明快な四角いデザインにレトロかつスポーティな雰囲気や「男らしいクルマ」感は、同時期のハコスカに通じる魅力があり、人気が高いのもわかる。

 そしてほんとうにビックリするのはここから。510型ブルーバードの後継は、コロナ・マークIIの高級路線に対抗して大型化した610型……いわゆる「ブルーバードU」だが、クセのある抑揚が強いデザインのため中古車では人気がない。

 それが、現在では200万円前後というプライスタグが付くだけでなく、610型ブルーバードに追加された直6エンジン搭載の2000GT(通称:サメブル)は、400万円〜600万円台という驚異的な値段になっているのだ。たしかに610型の流通数は極めて少ないが、それにしてもあんなに安かった “ブルU”が500万円オーバーというのは、ほんとうに驚かされる。

レパードとソアラもじわじわ価格があがっている

 驚きの高価格になっている日産車は他にもある。それが、レパードだ。そう、刑事ドラマ「あぶない刑事」で活躍した2代目(F31型)である。前期型・後期型が両方とも「出演」したため、今なおどちらも人気が高い。程度・走行距離によって価格の開きが大きいが、100万円以上〜300万円以内という相場感をキープしており、人気の高さが伺える。

 中でもF31型専門店では500万円〜700万円台(!)のプライスボードを掲げている。エンジンにも手を入れる、徹底したレストアで「コンクールコンディション」レベルに仕上げており、その価格に見合う抜群の程度を誇っているためだ。

 一方の元祖高級パーソナルスペシャリティカー・トヨタ ソアラも、1981年登場の初代モデルはすっかり見かけなくなった。希少性、記号性が高いクルマということもあり、程度が良い個体は価格がじわじわ上昇。200万円〜300万円台の価格で売られている個体が多い。安い額で買えるクルマではなくなってしまったのを痛感する。

300万円オーバーは当たり前のランクル60系

 今やクルマ販売の主流となったSUV。しかし都市部での使用を前提としたスズキ エスクードやトヨタ RAV4が姿を表す前は,4WDは男らしいヘビーデューティな乗り物で、「RV」「クロカン」と呼ばれていた。現在では高級SUVの代名詞になっているランドクルーザーの上位版「200系」も、かつては実用重視の硬派な大型クロカンというキャラだった。その世代が「60系」である。

 60系は1980年〜1990年まで生産されていたため、すでに経年が30〜40年というクルマだが、中古車市場では平均価格が約230万円、最高値クラスでは300万円台〜400万円台に達する人気車種だ。この価格帯は、現行型ランクル200系で5年落ち程度・走行距離3万〜5万キロほどの個体が買えてしまうため、いかに60系が高値なのかわかるだろう。

AE86が、初代セリカが、ブタケツローレルが、なんと400万円!

 軽量コンパクトなFRクーペ、AE86=トヨタ カローラ・レビン/スプリンター・トレノ。伝説のような存在になったこともあり、今では100万円台をゆうに超え、200万円台も多く、個体によっては400万円〜500万円ほどで売られるものも。で

 も、筆者が免許を取った1990年頃は、86は先輩からお下がりで格安で譲ってもらえるような存在だった。中古車市場では、今では信じられないほどの安価で売られていたのだから、隔世の感がある。

 初代トヨタ セリカも、200万円オーバーをベースに、300万円台、400万円台まで価格が跳ね上がっている。希少性と知名度、キャラクター性の高さから継続して人気が高いが、以前はこんなに高価ではなかったのは間違いない。

 日産 ローレルの2代目・C130型も、気がついたらスゴイ価格になっていた。通称「ブタケツ」と呼ばれる2ドアHTでは、400万円を超える価格帯が主で、改造内容によっては800万円超もあるのだから驚いてしまう。もとより人気のあるクルマだが、とはいえ、こんなに高いとは!

次に価格が上がりそうなクルマは、今狙え!?

 ここまで読んで、販売価格の高さに驚いた人も多いハズ。残っているクルマが、程度がとても良い個体で、それらを維持管理してきた経緯や整備内容、そして価値を考えると、かつてと同じような相場設定には、できない。とはいえ、高騰化の流れは少し加熱し過ぎているようにも思う。

 今回の記事で取り上げたように、人気薄だったのに時代の経過で見直されたり、発売当時から珍しいクルマだったため希少生が高かったり……など、意外な車種が高値になっていくケースは他にもある。乗っておきたくて、でも今ならまだリーズナブルに買えそうな車種があったら、その前に手に入れておくのが良いかもしれない。

 一方で、中古車の価格すべてがあがっているわけではない。佳作なのに、驚くほど安いクルマも多い。あえてそんな「穴」のモデルを乗るのも、クルマ選びの面白さだと思うのだ。

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