(3)スバル レックス[KM1型] 解体待ちのレックスをD.I.Yで復活!
“ザ・ビッグミニ”のキャッチコピーと「あなたに乗ってもらいたいなぁ♪」のセリフを爽やかにこなした、若大将こと現読売ジャイアンツ監督の原辰徳氏をCMに起用したスバルレックス。RRだった初代から、2代目ではFFへと変更したことにより室内やラゲッジ空間が広くなったことでも注目を集めた。
このクルマをベースにカスタムするオーナーのSさん。通勤に使うのための旧い軽自動車が欲しく「自分の生まれた年よりも旧いベース車が欲しかったんです」という。このレックスは本人と同級生。実は他にもセダンのベルエアやGX61マークll持っているという。
そんなレックス、手に入れたのは廃車置場だという。
「解体屋さんに朽ちてタイヤも付いていない状態でクルマの上に積まれていたんです。それこそリアル草むらヒーローですよね(笑)」。
それだけ聞くと動くようにするためには途方もない時間がかかりそうな印象。が、実際にレストア作業を開始してみると、ボディこそ修繕必須だったが、幸運にもエンジンは基本的なオーバーホール程度ですぐ始動。ボディは知人の鈑金屋さんにスペースを間借りして、仕事の後に深夜まで作業を繰り返して約半年で現状までに復活させたという。
ボディカラーは落ち着きのある現行ヴィッツのグリーンをベースに、ボトム部分をデミオ純正グリーン、さらにバンパーの間をトヨタウィルサイファのソリッドのグリーンで塗る、3トーンでオールペン。
ちなみにいずれも純正カラーにしたのは「いざ補修となった場合に再度色合わせするのが大変だから(笑)」。長く乗るつもりだからこそ、あえて突飛なカラーリングにはしなかったのが一番の理由だ。
オークションで入手したというSSRマークllは、レッドからゴールドに塗り替え。PIAAのイエローレンズとともに年式やトータルの雰囲気に合わせるがごとく、マストな演出といえる。
(4)スズキ マイティボーイ[SS40T]
軽とMR2を「丈伸ばし」でドッキング
4台目は少々イレギュラー、というより破天荒なカスタムカーだ。パッと見はマイティーボーイ、でも実はAW11型のMR2との「ニコイチ」している1台。とはいえMR2の要素があまりにもわかりにくいため、イベント会場に展示しても興味がない人だとスルーされる事が多いという。
そんな人たちを見て、逆に「よしよし!」と嬉しがっているのがオーナーのSサン。「2台とも解体扱いで入庫していたクルマなんです。でもその2台をじっと眺めていたらお互い似ているなぁって思って(笑)。同じに見えるということは、くっつけられるんじゃないかなと思ったんです(笑)」。
軽自動車をベースとして普通車の部品を取り付ける場合は丈詰め加工が必要になるのが普通だが、今回はMR2のフレームとエンジンをベースに「丈伸ばし」する逆パターン。マーボーの外装を載せるため、車幅と長さの合わせがキモとなる。
「当たり前ですがMR2のサイズのままではマーボー側は全長も全幅も足りません。そこでマーボーのベッドを切り離してMR2のエンジン部分を延長することで全長はクリアしました」。幅に関してもMR2のサイズに合わせることになるため、フルメタルワークでオーバーフェンダーを製作している。
そのため前後のバンパーやライト、レンズ類などはマーボー用をそのまま使用。これでは“パッと見”でMR2とのニコイチの要素を含んでいるのに気づかないのは無理もない。こうしたヘビーなカスタムを経たマーボー×MR2だからこそ、かえって“気付かないことが嬉しい”というオーナーの気持ちも理解できる。