【Q.04】「タイヤワックスを塗っても大丈夫かな?」
ホワイトレターの汚れを防ぐ目的でタイヤワックスを使いたい、という人もいるだろう。これは問題ないのだろうか。
「水性タイプなら大丈夫。油性タイプはNGです。油性タイプの場合、前述の劣化防止剤と反応して、タイヤの内側から外側に油分が引っ張り出されてしまうんです。たとえるならタイヤワックスが『呼び水』になる形ですね。すると前にもいった通り、ホワイトレター部分が茶色くなってしまいます」。
また劣化防止剤が必要以上に引き出されることで、タイヤの劣化が早まるリスクも出てくる。その辺を踏まえると、ホワイトレタータイヤには油性タイヤワックスを使わない方が賢明だろう。
「といっても水性タイプはあっという間に落ちます。2~3日でリセットされるくらいの感覚なので、長期的な効果は期待できません」。
【Q.05】「汚れたホワイトレターをまた真っ白に戻すには?」
「外部からの汚れ、または内部からの劣化防止剤で茶色く染まってしまっても、その汚れを落とすことは可能です」と菅原さん。やり方はいろいろあるが、デメリットもあるので併せて知っておきたい。
1.水洗い
水を掛けながらブラシでゴシゴシするだけでもある程度汚れは落とせる。洗車を手洗いでやっている人は、ホイールだけでなくタイヤも意識して洗ってみよう。マメにやれば汚れが沈着しにくくなるのでキレイさを保てる。泥だらけの道を走った後などは、早めに洗い流しておくといい。
2.パーツクリーナーなどケミカル剤を使う
汚れの原因はだいたい油。それを分解して落とせるパーツクリーナー(シリコンオフ)は有効なアイテムだ。デメリットはズバリ「落ちすぎること」。ヒビ割れなど劣化を防ぐために必要な油分まで落としてしまう。1度や2度くらいでどうなるものでもないが、繰り返し使うと確実にタイヤの寿命を縮める。
「私たちはデモカーの撮影前など、リスク覚悟でもっと強力なエンジンクリーナーを使います。漂白効果は素晴らしいですが、真似しないで下さい(笑)」。
3.メラミンスポンジで擦る
台所でも大活躍な激落ちくん等のあのスポンジ。これでホワイトレター部分を擦るのも効果的なのだという。「表面を少し削り取る感じです。根気よくゴシゴシやるとかなりキレイになりますよ」。クレンザーなど研磨剤入り洗剤も同様に有効だが、これは必要な油分まで一緒に落としてしまう。メラミンスポンジの方がタイヤには優しい。
【Q.06】「どのサイズがホワイトレターなのかよく分からない…」
1つのタイヤ銘柄で、全サイズがホワイトレター仕様のケースはあまりない。多くの場合、ブラックレターとホワイトレターが入り交じっている。例えばトーヨータイヤのオープンカントリーR/Tの場合、215/65R16はホワイトレターだけど、215/70R16はブラックレター、といった具合。
「ホワイトレターか否かは各メーカーのWEBサイトのサイズ表を見れば確認できますが、その表記がメーカーによってマチマチなのでちょっと分かりにくいんですよね」と菅原さん。
よくあるパターンとしては、表の欄に「◆」「□」といったマークが付いたサイズはホワイトレターというもの。この場合、表の一番下に「※◆印の商品は片側ホワイトレターです」というような注釈が入る。
もしくは「OWL(=アウトラインホワイトレター)」「RWL(=レイズドホワイトレター)」という表記があるサイズもホワイトレターだ。似たような表記で「RBL(=レイズドブラックレター)」は違うのでご注意を。
そのほかホワイトレターに関するアレコレ
◆基本的にホワイトレターは片面のみ
メーカー名やブランド名のロゴはたいていタイヤの両面に刻印されているが、ホワイトレターになっているのは片面のみ。反対側はブラックレター仕様が普通だ。そのため、タイヤの内側が減って来たから左右を組み替えて使う、というローテーションはできない(やっても機能的に問題はないが外側ブラックレター/内側ホワイトレターになる)。
◆外して保管する場合は「積み方」に注意
スタッドレスに履き替えるなど、一時的に保管する際もちょっと注意。タイヤを横にして積み重ねた際、ホワイトレター部分が黒い部分に密着していると、劣化防止剤が浸透して茶色く変色していまう。タイヤとタイヤの間に段ボールを噛ませるなどひと工夫しよう。
◆自作でホワイトレター化も可能
ホワイトレターの設定がないタイヤの場合、白いマーカーなどでDIYホワイトレター化するのもアリ。ただし本物ほど長持ちはしないので、その点は覚悟しておこう。「はみ出したり塗りムラがあると安っぽく見えるのでご注意を。個人的にはポスカが塗りやすく、色も乗りやすいのでオススメ。長持ちはしませんけどね」。
最近はあらかじめアルファベットになっているステッカーを貼り付けてホワイトレター化するというアイテムも登場。写真はエクシズルラインの「DIYタイヤレタリングキット」。任意の位置に貼り付けて専用の接着剤で貼り付けるだけとお手軽。
【取材協力】
エススタイル
◆広島県広島市西区中広町3-19-26
◆tel.082-548-9602
◆営業時間:10時~19時
◆定休日:イベント参加日シャコタンからリフトアップまでさまざまなカスタムを手掛けるプロショップ。代表の菅原さんは元タイヤメーカー社員で、タイヤ&ホイール全般に豊富な知識を持つ。