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ナメてかかると大事故に大ケガ! 初心者がサーキット走行でハマりがちな落とし穴8つ

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

4)黄旗やチェッカーの見落とし

 自分の走りに熱中・夢中しすぎて、視野が狭くなり、重要な黄旗やチェッカーフラッグを見落としてしまうことも初心者にはありがち…。しかし旗の見落としはアクシデントにつながる危険な行為なので、コーナーポスト、フラッグタワーは通過するたびにチェックすること。

5)フロアマットがペダルに引っかかる

 これも意外と多いトラブル。運転席のフロアマットは走行前に外して、助手席のフロアットの上に重ねておくのがベスト。滑り止めや固定用のフックがあっても油断しないこと。普段一度もズレたことがないマットでも、サーキット走行ではなぜかズレる! そしてマッドがペダルに引っかかったときの恐怖といったら…。

6)脱水症状

 サーキット走行で一番疲れるのは、じつは脳で、短時間にたくさんの情報処理をするために、脳はたくさんの酸素や血流量を必要としていて、汗をかいて体内の水分が少なくなると血流が悪くなり、集中力がダウンする。初心者ほど心臓がバクバクした状態が続くので、こまめな水分補給と塩分補給がかなり大切。

7)ありがちな走り方

 走り方については、練習あるのみ。ビギナーはブレーキ開始は速いが踏力が弱く、それでオーバースピード気味になりやすい。つまり「ダラダラしたブレーキが長くて止まらない→曲がらない」ということ。できればドライビングスクールなどを利用して、フルブレーキの特訓をすると一番良い。

 またアンダーステアが出たときに、さらにステアリングを切り込んでしまうというのもよくある話。オーバースピードの時や、ブレーキを強く踏んだままではステアリングを切っても曲がらない。

 この加減を掴んで、良い塩梅にコントロールするのがスポーツドライビングの上達なので、まずは「スロー・イン・ファーストアウト」に徹して、コーナー進入で無理をしない走り方から身に着けていこう。

 またクリッピングにつけない、入り口と出口でコース幅をアウト一杯まで使えない、というのも初中級者にありがちなパターン。これは車両感覚を磨く必要もあるが、自分の車載カメラ、あるいは一緒に走った友達の車載カメラ、できればコース脇から撮影した動画などを見ながら、主観と客観がどれだけ違うか確認することからはじめると良い。

8)クルマの変調

 いまのクルマならオイルや冷却水がきちんと入っていて、タイヤやブレーキの残量がきちんとあれば、そうそうトラブルが出る心配はない。

 しかし10分、20分とサーキットを連続して走っていれば、タイヤの温度は上昇、空気圧も上がり、ブレーキは熱でフェードしたり、フルードにエアが入って効きが悪くなってくる。水温や油温も当然上がってくるので、こうした変化がないか気を配り、途中でクーリングラップを入れるようにしよう。

 ちなみにペースが遅すぎるクーリングラップは、他車と速度差が大きくなって危険だし、風が当たらないので冷えない。極力高いギヤを使って、回転数を上げずに速度は高めをキープするのがコツだ。もちろんハードブレーキは使わない。

 ドライバー本人もコーナーの度に息を止めて走っていることもあるので、ビギナーなら5周ぐらい連続で走ったら、一度ピットインして休息をとることもけっこう大事。休憩時にボンネットを開けて、エンジンルームの熱気を抜くのも良いが、ときどきボンネットが完全に閉まっていないまま走り出す人もいるので要注意だ。

 クルマについてもうひとつありがちだけど気をつけてほしいことは、ホイールナットの増し締めをしないこと。ホイールナットは走行前にトルクチェックするのが基本だが、トルクチェックと増し締めは違う。走行後、ホイールが熱くなっているときに増し締めしようとすると、ボルトが伸びたり折れたりすることにもつながる。ホイールナットは常温時に、トルクレンチを使って、規定トルクに合わせること。オーバートルクで締める方のもリスクがあるということを覚えておこう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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