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オーラがハンパない! 「セリカ」「フェアレディZ」「117」など70年代クーペが「神車」すぎる

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

華麗さは国産屈指だった真っ赤なマツダ コスモAP

 流麗というよりも華麗なクーペと呼ぶべきモデルがマツダのコスモ。より正確に言うならコスモAPです。67年に登場した初代モデルは2シーターのスポーツカーでしたが、75年に登場したコスモAPはラグジュアリーなクーペに変身していました。

 燃費で苦戦を強いられたロータリー・エンジン(RE)ですが、公害対策として排気ガスの浄化ではアドバンテージがあり、それを前面に押し出してAP(Anti Pollution=英語で汚染防止の意)のサブネームが追加されていました。最上級グレードのリミテッドにはRE最上位の13B型2ローター・エンジンが搭載されていました。

 この他にもマツダはルーチェやカペラ、あるいはサバンナやファミリアなどにもロータリー・クーペをラインナップしていましたが、何よりもコスモAPの流麗なスタイルが印象に残っています。

 宇佐美恵子が出演していたCMも素敵でした。しかし個人的には、大学の卒業を前に親友が当時付き合っていた彼女と最後の食事をした際、「今度はコスモに乗って迎えに行くから!」と言ったというエピソードも忘れられません。

 もっとも、卒業して数年経ってから、彼から届いた年賀状には件の彼女とは違う名前の奥さんと連名で新年の挨拶が綴られていましたが…。青春の夢に憧れ、また青春の儚さを教えられた1台です。

真打ちの117だけでなくベレットや派生モデルにもクーペの名車が勢ぞろい

 70年代のクーペで、と言うよりも国産のクーペで、真打ちと言えばやはりいすゞ117クーペでしょう。

 大人4人が長距離ツーリングを楽しむ…。そんなイメージのクルマが、この117クーペです。トヨタのクラウンや日産のセドリック/グロリア、あるいは三菱のデボネアなどとは一線を画したいすゞの最上級サルーン、フローリアンをベースにした…と言っても時系列で言うなら同時に開発され、商品化はこちらの117クーペの方が先でしたが…2ドア/4座クーペです。

 ルックスだけでなくメカニズム的にも先進の気風があり、1970年に追加設定されたECはボッシュ製の電子制御式インジェクションを、国産として最初に採用したモデルとなりました。また当初からいすゞとして初のツインカムエンジンを搭載していたことでも知られています。

 ただ個人的には国産アルファ・ロメオの呼び声の高いベレットの1600GT & GT-RやレーシングマシンのベレットR6クーペも見逃す訳にはいきません。

またミッドシップ試作車のベレットMXも忘れられないクーペとなっています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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