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今どき流行の復刻版「クラシックタイヤ」! オシャレ目的で今のクルマに履いても問題ない?

クラッシックタイヤを今風に履きこなすには

 横浜ゴムやミシュランから、クラシックカーやヒストリックカーのオリジナルスタイルや走りのテイストにこだわった、「クラシックタイヤ」が発売されている。

 これらの「クラシックタイヤ」を、1970年代以前の本物のクラシックカー、ヒストリックカーではなく、最近のレトロチックなクルマに装着しても似合うと思うのだが、ドレスアップ的にこうした使い方をするのはありなのだろうか?

 いまのクルマと「クラシックタイヤ」の相性、安全面、その他注意点などについて、横浜ゴムと日本ミシュランタイヤの広報担当者にお話を伺ってみた。

横浜ゴムのクラシックタイヤは最新技術デチューンでの復刻版

 当時のトレッドパターンやロゴを精緻に再現し、名車の雰囲気を損なうことなく、快適なハンドリングを取り戻す「G.T.SPECIAL」や「ADVAN HF type D」など、幅広いクラシックタイヤを用意している横浜ゴム。

 今どきのクルマに「クラシックタイヤを装着しても大丈夫なのか?」という問いに対しては、「問題ない」という答えをいただいた。

「復刻したType DやGT Specialについては、トレッド・サイドのデザインはほぼ当時のままですが、構造やコンパウンド等は現代の技術を使用しています。したがって、性能に関してもほぼ既存のタイヤと同等になります」とのこと。

「ただし、この性能については注意が必要であり、旧車の足まわりに過度な負担をかけないよう、あえてデチューンを行い、当時のレベル同等としています。これは現代のタイヤと比較するとタクシータイヤの性能とほぼ同じになります」。

 つまり、1970~80年代に発売した当初はハイグリップタイヤだったが、30~40年の年月を経てタイヤの技術自体も大きく進化しているので、その点だけは頭に入れておく必要があるわけだ。

 したがって「当時のハイグリップタイヤのイメージで走行した場合、現代のハイグリップタイヤと比べグリップしないと思われる可能性があります。また車両重量もこの30~40年で重くなっていることもご注意ください。これらの点を考慮の上、ドレスアップ目的で使用される場合、何ら問題はありません。実際に多くの(新旧の)VWビートルオーナーの方々に「G.T.SPECIAL」シリーズなどをご愛用いただいております」。

多くのクラシックカー向けを備えているミシュラン

 タイヤサイズ、トレッドパターン、扁平率を当時のモデルのまま再現することにより、その当時のままの乗り味を愉しむことを目的に、1930年代から1970年代の終わりまでに製造された、さまざまな車に装着可能なクラシックカー向けのタイヤを取りそろえているのがミシュランだ。

 こうしたミシュランのクラシックタイヤシリーズも
「基本的にロードインデックス(過重指数)とスピードレンジ(速度記号)が純正装着タイヤのものと同等かそれ以上のタイヤであればご使用は可能です」とのこと。

 さらに「ミシュランクラシックタイヤは剛性やグリップも現在のタイヤ製品としての基準に則しているため、上記の規格等配慮いただければご使用に問題はございません。逆に言いますと弊社のクラシックタイヤは現代に通用するウェット・ドライグリップなどの安全性能を確保しながら外観はもちろん、当時の設計思想や基準で復刻させています。これは旧車本来の性能や乗り心地を現代に再現させることを目的としているためです」と答えていただいた。

 同時に「ただし本来純正装着タイヤは車両性能に適したものが選択、装着されているため、それと異なったパターンを装着した場合、車両本来の乗り心地や走行性能が失われる可能性がございます」と、注意点についても教えてくれた。

 このように、結論としては、現行車あるいは現行に近いモデルに、クラシックタイヤをチョイスするのは問題ない。

 クラシックカーに限らず、1990年代のクルマや10年前のクルマであっても、新車装着タイヤと同等のタイヤであってこそ、新車当時の乗り味を楽しむことができるというもの。

 そのクルマ本来のフィーリングを味わうには、じつはタイヤも重要な役割を果たしているので、こうしたクラシックタイヤを上手に使いこなせるようになるといいだろう。

当時の乗り味そのままを再現してくれる

 ちなみに、クラウンコンフォートにGT SPECIALを履かせた例があるので、お伝えしよう。

 オーナーのSさんは、幼少の頃に憧れたGT SPECIALをスタッドレスタイヤの交換と共に履き替えたヒトリ。その印象を聞くと「もともと足回りが柔らかめにセッティングされていることもあり、乗り心地が良くなりましたね。その違いは70歳を過ぎた母も感じるほどでした。『オシャレは足下から』なんてファッションを語るときの常套句のひとつですが、古き良き日本車のシルエットを残したデザインにピッタリな感じがしますね」と喜んでいました。

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