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最近ドレスアップ派も熱視線! 車内にパイプを張り巡らせる「ロールケージ」の意外な効果とは

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TEXT: 岡田幸一  PHOTO: 岡田幸一、サイトウロールケージ

レースや競技だけではなく ストリートでもメリット多し!!

 タテ・ヨコ・ナナメにパイプが組まれているクルマを見ると、一般道では似つかわしくない「特別な存在感」を感じる。タダモノではないオーラがプンプンと漂うとでも言おうか。

 ロールケージとは、車内に組まれたそのパイプの囲いのこと。もともとは、レースカーやラリーカー用のアイテムで、モータースポーツと無縁の人にはまったく関係ないと思われがちだが、じつはストリートでも装着するメリットが多いことも知られつつある。

 また、昨今のスポーツカー人気もあり、ファッション的なアピール面でも効果的で、ドレスアップアイテムとしても注目度が高まっているのだ。ここではそんなロールケージついて、「走り」と「見た目」に効く一石二鳥な観点から掘り下げてみた。

【装着画像】ジムニーや86、コペンにスカイラインなど(写真33枚)

そもそもロールケージって何?

 レーシングカーやラリーカーの象徴と言えば、車内に張り巡らされたロールケージもそのひとつだろう。ロールバーと呼ぶこともあるが、一般的には同じ意味で捉えられているようだ。そもそもロールケージの“Cage”(ケージ)とは、その本来の意味のとおり「カゴ」をあらわす言葉。まさに「鳥かご」をイメージしてもらうといい。

 レースや競技系車両にロールケージを装着する目的は、車内にロールバー(スチール製のパイプ)で「かご」のような囲いを作って、車体が横転したときに、屋根がつぶれることなく、ドライバーや乗員の命を守ることにある。横転やクラッシュしたときにも、ロールケージが車内の空間を確保してくれるというワケだ。

 ラリーの競技中に、マシンが道路を外れて崖を転がり落ちるシーンを見たことがあるかもしれない。普通のクルマなら車体が何回転もしてペチャンコに潰れるような危険な場面でも、ラリーカーのクルーたちが「かすり傷程度で済んだよ」などとコメントできるのは、ロールケージによって命を救われたからだ。ラリーに限らず、クローズドサーキットで行われる、レース中のクラッシュでも同様と言える。

 すなわち、レースやラリーの車両規則では、ロールケージの装着が細かい規定(パイプの素材や太さ、取り付け方など)とともに義務付けられていて、これにより、ドライバーや乗員が命を落としたり、大きなケガを負うことが大幅に抑制されているのだ。

 また、サーキットのスポーツ走行でも、オープンカーの場合はロールケージ(ロールバー)を装着していないと走行できないケースもあるので、事前に規定を調べるなどの注意が必要だ。

見た目的にも あの! ジャグルジムは、ファンならヨダレもの?

 スーパーGTのマシンや、WRCラリーカーの室内には、縦横無尽にパイプが組まれ、まさにジャングルジム状態。ファンなら誰しもがその光景に「カッコイイ~」と固唾を飲んでしまう。これを見てしまうと、「いつかは自分のクルマにもつけてみたい」と走り屋さんなら思ってしまっても不思議ではない。ストリートのドレスアップカーでもロールケージを装着するユーザーが増えているのは、そんな憧れから来ているのは間違いないだろう。

 ドレスアップの手法としては、カラフルなロールバーパッドを巻いてみたり、ロールバーそのものを室内色に合わせてカラーコーディネートして塗装してみたりと、アピールの仕方は人それぞれ。逆に、黒いロールバーパッドを巻いてあえて見えにくくするのもストイックな感じで好感が持てたりもする。また、外から車内が丸見えのオープンカーなら、さらにロールケージの存在感は大きくなる。

 ロールケージはファッションアイテムとしても、見るものに強烈なインパクトを与え、効果は絶大。また、レースに出るワケでもないのに、ロールケージが装着されているというギャップも「萌え」ポイントになっているようだ。

 ちなみにだが、スーパーGTのマシンや、WRCラリーカーの頂点マシンの室内がジャングルジムになっているのは、じつは、ロールケージとは少し意味合いが違って、見た目は同じようでも、車体そのものがパイプフレームで構成されていることもあるので念の為。

 あとから車体にパイプ(ロールバー)を取り付けたのではなく、パイプフレームありきで設計されていることが多いようだ。もちろんロールケージと同じく、ドライバーや乗員を保護する役割も果たしていることは間違いない。

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