優勝にわずかに届かず、2位に
「GANDAR RV & OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)の第6戦が、アメリカ・ペンシルベニア州にあるポコノ・レースウェイで、現地時間6月28日(日)に開催された。当初はその前日となる27日(土)午後12時半にスタートするはずだったが、雨天のため、翌日に延期されてのレース開催となった。
このトラックシリーズ第6戦「Pocono Organics 150 to benefit Farm Aid」も、コロナ禍からのシリーズ再開の各戦と同じく、今回も無観客・練習走行と予選はなし・決勝レースのみを行うレースフォーマットが採用。バンク角がそれぞれ14度、8度、6度となる「3ターン・3ストレート」という特殊なオーバル形状をもつ、1周2.5マイルのポコノのコースを舞台に60周(150マイル)で争われた。
このナスカー・トラックシリーズに参戦を続けている服部茂章氏率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、今回豊田通商のカラーリングを施した#16 TOYOTA TSUSHO/TOYOTA Mobility Parts TOYOTA TUNDRAを若手ドライバーのオースティン・ヒル選手に託して参戦した。
上位10台のグリッドはシリーズランキングトップ10によるクジ引きとなるが、16号車のヒル選手は2列目3番手の好ポジションを獲得した。28日午前9時半のスタートからヒル選手はトップ争いを繰り広げる。ポコノのレースは第1ステージ15周、第2ステージ15周、最終ステージ30で争われるが幸先のいい展開だ。
しかしレースは序盤からクラッシュが頻発し、2度のイエローコーションが出される。そのクラッシュ車両とコース清掃のためにいったんレースは中断。その後12周目にもまたイエローが出て赤旗中断が繰り返された。波乱の中、ヒル選手は2番手をキープして第1ステージを終了。
服部監督のHREチームは、ステージブレイクに16号車をコースにステイさせる戦略をとったが、他チームも同じ作戦のため順位は変わらず、2番手からの第2ステージをスタート。
サイドバイサイドの団子状態になだれ込む
この第2ステージでも22周目にイエローコーションが出されたが、チームはここでワンストップ作戦に戦略を切り替え、給油とタイヤ交換のためにピットにヒル選手を呼び戻し、このレース最初で最後のピット作業を行った。これによりポジションを10番手まで下げたものの、ここで第2ステージを終了し、33周目、残り27周で最終ステージを迎えることとなった。
最終ステージもイエローコーションが何度も出される展開だったが、ヒル選手は38周目のリスタート直後には3番手にまで順位を上げた。そして上位3台は一気に後続を引き離しながら、トップ争いを展開。しかし、この3台のうちの一台が50周目にスピンを喫してクラッシュし、またしてもイエローコーションが出される。
そしてレース再開は残り3周へと突入。上位3台がスリーワイドでコースを周回しギリギリの熱戦バトルを展開するも、ヒル選手はわずかに及ばず、サイドバイサイドの2番手でフィニッシュラインを通過しチェッカーを受けた。
これで16号車は開幕から6戦連続のトップ10フィニッシュ。昨年の最終戦から続くトップ10フィニッシュの記録はチーム最多の7戦連続となった。これによりポイントランキングは2番手と51ポイントもの差を付けることとなった。
シリーズはいよいよ後半から終盤へ。ケンタッキー州ケンタッキー・スピードウェイで7月11日(土)に開催されるトラックシリーズ第7戦からの4連戦に向けて、HREは新車を投入し、今季初の優勝、そしてシリーズタイトル獲得を目指す。