夏のクルマ内は危険性が高まる
夏のドライブで気をつけたいのが熱中症だ。「エアコンも効いてるし問題は無いはず」と思って安心しきっているユーザーもいるが、意外なところに落とし穴があるので注意して欲しいもの。まずは駐車中の車内温度の上昇はかなり厳しいことを知っておこう。
駐車時間——短さ許容は過信でしかない
炎天下にわずかな時間駐車しただけで、車内温度が50℃を超えることもザラだ。わずか15分程度の駐車で車内の温度が10℃上昇するというテスト結果もある。ダッシュボードなど直接日光が当たる部分はさらに高温になるので注意が必要だ。
クルマに戻った際には十分な換気と車内温度の調整を行おう。いきなりステアリングを握って、その熱さにビックリした経験があるドライバーもいるのではないだろうか。
このような温度上昇を知っていれば車内に小さな子供を残してクルマから離れるのは大変危険であることがわかるだろう。過去にも炎天下の車中に残した子供が亡くなったという報道があった。短時間だと甘く考えずに、夏場の駐車には細心の注意を払いたい。
以上はエンジンを停止してエアコンを止めた状態を想定しているが、エアコンを使っていれば必ずしも安全というわけではない。直射日光の差し込む窓際はかなりの高温になることもある。後部座席の直射日光が当たる座席に座ってる高齢者や幼児は場合によっては熱中症の可能性もあるので体調に十分気をつけた方が良いだろう。
車内への日差しをさえぎるシェード
そこで、対策装備として用意したいのがシェードだ。車内の気温上昇のキーワードは“日差し”だ。そこでサンシェードを使って強烈な日差しを遮ることである程度車内の温度上昇を抑えることができる。ウインドウにスモークフィルムを貼ることも同様の効果が望めるだろう。
駐車中に設置するサンシェードの定番はフロントウインドウ全面を覆うサンシェードだ。外側は日光を反射する銀マットになっているタイプが効果的。サンシェードを使うだけで場合によっては20℃以上も温度上昇を抑えられるというデータもある。
さらにサイド&リアウインドウからの日差しを遮るアイテムも数多く用意されている。ただしサイドウィンドウはフロントウインドウとは異なり車種ごとに形状や大きさ、その数がまちまちな点がある。そこで車種専用に設定されているサンシェードを活用するのがオススメだ。
サイドウインドウにぴったりとフィットするので日差しを遮る効果も高い。 紫外線をカットする効果が高いモデルも用意され、日焼けの防止効果もあるので注目だ。
メッシュ素材シェードやカーテンで窓開けも可
またメッシュ素材を使っているタイプなら視界を完全には遮らず日差しだけをカットできるのでドライブ中の閉塞感が無くて快適だ。一部のアイテムではウインドウ枠にフィットし、停車中は窓を開けてもメッシュ状のシェードがそのまま設置されるモデルもあるので用途に合わせて選ぶと良いだろう。ただし前席側の走行中の使用は不可、という点を念のため追加しておこう。
そんなサンシェードにも“どの程度日差しを遮るか”の性能差はある。どれも同じではないので、なるべく遮光率やUVカットの機能を備えているタイプを選ぶと良いだろう。遮光率100%やUVカット率90%以上といった高機能モデルを目安として、しっかり効果がある高機能なサンシェードを選ぼう。
サンシェードの取り付けスタイルにも注目したい。汎用的な取り付けを考えたら吸盤を使ってウインドウの内側に貼り付けるタイプが便利だ。必要なときにぱっと取りだして設置可能。吸盤の性能にはけっこうな差があるのも知っておこう、リーズナブルなものの中には吸着力が弱くすぐにはがれてしまうものもある。しっかり吸着できる高品質なモデルを選ぼう。
また静電吸着タイプのサンシェードもラインアップされている。静電吸着でピタッとウインドウに張り付くのが特徴。こちらはウインドウに吸盤の跡が残らないのもメリット、脱着も簡単だ。
シェード以外の日差しを遮るアイテムとしてカーテンもある。こちらは簡単に開閉できるのがメリット。ただし遮光カーテンだと完全に視界が遮られてしまう。
そんな場合にはレースカーテンなどを使う方法もある。ただし車中泊などで車外からの視線を遮る用途として使うならば遮光カーテンは使い勝手は良いだろう。
夏場の暑さや日差しから乗員をプロテクトするサンシェードをうまく利用して、愛車をもっと安全で快適にしようではありませんか。