3)スバル インプレッサ 22B STI version
当時、世界ラリー選手権(WRC)で3連覇を成し遂げたインプレッサWRC97のイメージをロードカーに落とし込んだスペシャルモデルがインプレッサ 22B STI versionだ。
WRカー譲りの大きく張り出した前後ブリスターフェンダーや、エアロパーツはまさに本物を思わせるもの。それだけにラリー用のホモロゲーションモデルと思われるかもしれないが、このモデルはあくまでラリーカーをイメージしたカスタマイズカーとなっている。
搭載されるエンジンは実際のラリーカーとは異なり、2212ccにボアアップされたEJ22改と呼ばれるものが搭載され、パワーこそ当時の自主規制値である280PSのままだったが、フラットかつ高トルクを実現。それに合わせて駆動系も強化されたものが搭載されていた。
このモデルは400台限定で、価格は500万円となっていたが、あっという間に完売。現在はそのときの2倍以上の価格で取引されるプレミアムカーとなっている。
4)ホンダ シビック MUGEN RR
2007年9月に限定300台でリリースされたシビック MUGEN RRは、FD2型シビックタイプRをベースに究極のFFスポーツパフォーマンスを目標として作られたモデル。専用パーツは1台1台手作業で架装される本格的なチューニングカーだ。
エンジンは専用カムシャフトと吸排気系などでNAながら+15PSの向上を実施。カーボン製のフロントバンパーやリアウイング、レカロ社製のカーボンシェルバケットシート、アルミボンネットなどで15kgの軽量化を果たしている。
さらに大型ディフューザーやフロントアンダーパネル、可変リアウイングを装着し、レーシングカー並みのマイナスリフトを実現しているのだ。
価格は455万円(税抜)とベース車よりも200万円近く高額となっているが、これも同様の仕様を作ろうとすれば200万円では到底実現不可能な内容と言える。
5)ダイハツ ブーンシルク
スポルザリミテッドパッケージ D-tune edition
最後は番外編となるが、現在ダイハツの普通車のボトムラインを担っているブーンに設定されていたD-tune editionをご紹介しよう。
これは、東京オートサロンなどで参考出品されて話題を集め、市販されたスポルザリミテッドパッケージにプラスされたもので、CVTのファイナルギヤを約20%ローギヤ化し、街乗り速度域での加速性能を向上させたもの。これにより、0~40km/hの発進加速を時間で約8%、40~80km/hの加速を時間で約10%短縮しているのだ。
X4があった初代に比べ、地味な印象のあるブーンではあるが、ファイナルギヤに手を加えるというのはまさにメーカーならでは。ハードなチューニングではないが、こういったものも存在していたのである。