【ARTISAN SPIRITS】車高を落とさずとも低重心に
アーティシャンスピリッツも、ヴァルドと並んでグローバルなエアロパーツブランドだ。ここ数年、ラスベガスで開催されるSEMAショーには毎年のように出展しており、2019年はGRスープラ用のエアロキットと86用のワイドボディキットを発表して話題となった。過去にはレクサスUSAの協力を得て、まだ日本未発売だったレクサスLCのボディキットを開発。いち早くSEMAで披露して大きな注目を浴びたこともある。
とはいえ、アーティシャンスピリッツのメイン市場はあくまで国内。これまでトヨタ系をメインに取り扱ってきた同社としては、レクサスLSの上を行く「真のフラッグシップ」は無視できない。海外でも高く評価されているその手腕を、センチュリーのために振るうことになった。
開発されたパーツは、フロント/サイド/リア/ナンバープレートベース/トランクスポイラー/リアルーフスポイラーの6点。フロントとナンバープレートベースはセット販売となる。フロント/サイド/リアはいずれも純正に付け加えるタイプ。各メッキガーニッシュの下に装着する設計だ。
前述のようにこのメッキが公用車のようなお堅いムードを作る要因なのだが、あえてそれらを生かしたまま、下側にスポイラーを追加することで「堅さ」を払拭。また全体的に厚みを増すことで、車高を落とさずとも低重心に見えるように仕上げた。
とはいえ、各エアロは走行に支障が出ないよう基本的に小振り。その限られたサイズの中にダクトや落とし込み、フィン付きディフューザーといった要素を凝縮し、小さくともボリュームがあるように見せているのだ。造形は立体的だから光の加減で陰影が付きやすく、適度なスポーティさも味わえる。
フロント/サイド以外はカーボン仕様もラインナップ。そちらを選べばもう少しスポーティに振れるだろう。特にフロントナンバーベースをカーボンにすれば、より引き締まったマスクを演出できそうだ。なおこのアイテムは、純正では微妙に上向きなナンバーの角度を、若干下向きに補正する役割もあり。
各パーツは、機械による3Dモデリングと、熟練の職人によるハンドメイドのハイブリッド造形。精密に左右対称に作られているのはもちろん、フィッティング性にも優れ、ボディによく馴染む。そのクオリティの高さは、アーティシャンスピリッツ(=職人気質)の名に恥じない。
◆取材協力
トムス https://www.tomsracing.co.jp
ヴァルド http://www.wald.co.jp
アーティシャンスピリッツ http://artisanspirits.co.jp