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なんとサーキットですらMT車が減少中! 2ペダル車で「速く走るコツ」と壊さないための対策とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

サーキット走行もAT車で楽しめる時代

 昔でこそ「サーキットを走るならMT!」だったが、今や2ペダルMTやAT車で走りを楽しむ人も大勢いる。楽しさは変わらないにせよミッションの耐久性はどうなのか、また速く走らせる2ペダルならではのコツはあるのだろうか? 注意点とドライビングテクニックについて考えてみたい。

全開で走るなら「ATFクーラー」の装着を

 「AT」や「CVT」などの2ペダル車でサーキットを楽しむ人はいくらでもいるし、新規に運転免許を取得する人の半数がAT限定というデータもある時代。GT-Rのように速さと安全性を妥協せずに追求した結果、クラッチペダルのない「DCT」を採用する車種もあったり、スポーツ走行=MTという認識は過去のモノになったといえる。

 ただMT全盛期を知っているドライバーにしてみれば、ミッションにも公道とはケタ違いの負荷がかかるサーキットで、何もトラブルが起きないのかは気になるところだ。ミッションが壊れたらオーバーホールにせよ交換にせよ、決して安くない修理費がかかってしまうのは自明の理。それを考えて走るのを躊躇している、という人も決して少なくないだろう。

 車種によって差は非常に大きいとの前提は付くが、2ペダル車でサーキット走行を楽しんでいる人の多くが装着しているのは「ATFクーラー」だ。名前のとおり、AT内部で制御・潤滑・伝達の役割を果たしている「ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)」を冷却するパーツで、必然的にオイル(フルード)の量も増えるため2重の意味で安全マージンを稼げる。

 ATFの温度が上がりすぎるとシフトチェンジしなくなったり、俗にいう「ATが滑る」ような症状が出てマトモに走れなくなるのだ。極端にパワーを上げたようなクルマなら当然だし、ノーマルでも車種によっては数周しかもたない場合も。ハイパフォーマンスで知られるGT-Rでは、走るなら「DCTクーラー」が必須というプロショップも多い。

 またATFの選択も重要。サーキット走行を想定したATFが各社から販売されており、高温に強いだけじゃなく低温時は変速のもたつきを解消するなど、スポーツ走行におけるトラブルを減らすためのノウハウが詰め込まれている。

 クーラーと併用すればエンジンが相当なフルチューンだったり、真夏の耐久レースなどでなければ、シビアに油温を気にすることなく走りを楽しめるだろう。ただし前に書いたとおり車種や走り方による差は大きいので、フィーリングが怪しくなれば一度スローダウンし、ATFの温度が下がるのを待ってから再び全開走行に移ろう。

AT車でサーキットを速く走らせるコツは?

 続いて2ペダルならではの走らせ方について。ライン取りや荷重移動はATでもMTでも変わらず、違うのはシフト操作のみだ。まずシフトだが「D」レンジに入れっぱなしではなく、積極的に「2」や「3」といった低いギヤを使い、回転数が落ち込まないようキープする。これはパドルシフトの有無に関係なく行ないたい。

 例外として「スポーツモード」と呼ばれるような機能を搭載し、ボタンひとつでシフトタイミングがスポーツ走行向けに変更できる車種は「D」レンジのままがオススメ。積極的にギヤチェンジしたほうが「走っている」感はあれど、そのような車種はクルマ任せのほうがミスしないうえ、タイミングも的確で、かつドライバーはほかの操作に集中できるので、結果として速く走れるというケースが多いようだ。

  なおローパワーの小排気量車に多いCVTは、無段階変速による運転のしやすさと燃費をウリにしているが、サーキット走行でもドライバーの意図しないギヤチェンジがなく、エンジンの美味しい回転数をキープできるので、一般的なATよりメリットが多いと考えられる。

 いずれにせよ“MTじゃなければ走っても楽しくない”なんて考えは、もはやナンセンス。熱対策をシッカリと施したうえで、2ペダルならではのドライビングテクニックを極めよう!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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