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事故に繋がる? サーキット走行で運転席の「フロアマット」厳禁の理由とは

運転中にズレてしまいペダルに挟まる可能性も

 新車購入時、ほとんどオプションをつけないといっても「フロアマット」だけは選ぶという人は多い。カーペットタイプを使っているドライバーが多いが、アウトドア派や業務用途ではゴムマットを愛用しているユーザーも多い。いずれにしてもノーマット状態で使っている人はかなりの少数派だろう。

 なぜなら、クルマのフロアに敷かれているカーペットというのは簡単に取り外すことができず、汚れてしまっても洗うことは難しいからだ。

 どうしても靴底についた汚れを車内に持ち込んでしまうため、ワンタッチで外せるフロアマットを利用することで車内清掃をイージーにしておくことは、当たり前のこととしてほとんどのユーザーに認識されている。

 しかし、フロアマットは正しい使い方をしないと事故の元になってしまう。純正品のフロアマットであれば車体のフロア形状にぴったりで、固定用フックも利用できるが、汎用品のマットでは運転中にズレてしまい、ペダルに挟まるなどしてブレーキが踏めなくなったり、アクセルが戻らなくなったりすることがある。そのためフロアマットを重ねて使うのもNGだったりするのだ。

マットがペダルに干渉すると事故の元

 さて、サーキット走行ではドライバーズミーティングなどで「フロアマットを外すよう」に指示されるのは、運転中にフロアマットが外れて、ペダル操作を妨げることを防ぐためだ。

 公道走行では問題なく使えているのだからサーキットでもそのままで大丈夫と思うかもしれないが、サーキットでは公道走行では考えられないようなGがかかり足を踏ん張る機会も多く、フロアマットが外れてしまうこともあるからだ。そうなると正確なペダル操作を妨げてしまう。

 そうでなくとも、速度域が上がれば一瞬のミスが大きな事故につながってしまう。そこで、サーキットでのリスクを減らすために走行前にフロアマットを外しておくのは基本中の基本となっているのだ。

 とはいえ、サーキット走行を繰り返していると踵が触れる部分のフロアカーペットに穴が空いてしまったりすることもあるし、意外に床はフラットでないので運転しづらかったりする。

 そこで、本格的にサーキット仕様に仕上げるときにはカーペットや制振材などを外してしまうこともある。ここまでハードなチューニングをすると日常生活では床から盛大なノイズが侵入してくるようになり現実的ではないが、軽量化を最優先するレーシングカーでは常套手段だ。そうした改造時にペダル操作をしやすくするために、ペダル部分のフロアにアルミ製フットプレートを装着することも珍しくない。

アルミ製フットプレートでレーシーに

 フットプレートというは、多くのケースで表面が凸凹となった縞板のアルミプレートや、アルミプレートにパンチングして軽量化と滑り止め効果を同時に狙った素材を使っている。クルマのフロア形状に合わせて加工したプレートをボルト&ナットで固定することで、正確な操作をサポートしようというわけだ。

 このレベルのサーキット仕様にまで改造をしてしまうと、元に戻すことも難しくなるが、人気車種であればアフターパーツとして専用形状に作られたフットプレートを見つけることもできる。かなりハードルは上がってしまうのも事実だが、レーシーなカスタマイズとして、そうした手段がスタンダード的であるということも覚えておきたい。

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