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端までアスファルトじゃだめ? サーキットにある「しましま」の縁石はなぜあるのか

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

プロドライバーはカッコよく乗り上げているが……

 一般道にはないけどサーキットには必ず存在するモノ。そのひとつが主に赤と白で塗り分けた、縁石とも呼ばれる「ゼブラゾーン」だ。乗っちゃダメという人もいれば、ハデに乗って走る人もいる謎のエリアである。では設置される本来の意図や走る際に注意するべきことは何か。それらを再確認していこう。

本来は間違った走行路への侵入を警告する役割

 まずは名称から。ゼブラとは動物園でよく見かけるシマウマのことだが、多くのコースで赤と白、場合によっては青や黄を使った縞模様であることから、一般的にゼブラゾーンと呼ばれている。材質は路面のアスファルトと違いコンクリートで、形状も少し盛り上がっていたり波状であったりと様々。

 最大の目的はドライバーに「ココまでがコースですよ」と伝え、クルマの挙動を乱したりレースではペナルティの対象となる、いわゆる『走路外走行』をさせないこと。

 サーキットの路面は特殊なアスファルトでグリップ力が高いが、そこを少しでも外れたら芝生や砂利で急激にグリップを失い、スピンや大きなクラッシュに繋がる可能性がある。しかしステアリングやブレーキの操作に集中しているドライバーが、ハイスピードで走りながら正確に走行ラインをコントロールするのは、上級者は別として一般のドライバーにはなかなか難しい。

 そこで視覚的に認知しやすい色で「コレ以上はダメですよ」と伝えると同時に、タイヤがゼブラゾーンに乗ると振動が発生し、コース外であることをドライバーに強く訴えるのだ。

 また先述した走路外走行は俗にいうショートカットのことで、本来はコースじゃない部分を走って距離を縮めたり、直線的にコーナーを抜けてタイムを稼ぐ行為を指す。サーキットで認められるのはあくまでコース内を走ったタイムで、ゼブラゾーンの外側まで使って出したタイムは認めらないどころか、公式レースでは予選・決勝に関わらず何らかのペナルティが与えられる。

 主催者がどこまで厳格に裁定するかは別として、ゼブラゾーン自体もコースではないため、4輪すべてが乗っていれば走路外走行とみなされ、左右いずれかであればOKというケースが多い。

ゼブラゾーンに乗って走る時の注意点は?

 では走る際の注意点を。タイムを限界まで削るときは乗ったほうがいい場合もあるが、平坦ならともかく波状や大きく盛り上がったゼブラゾーンは事故の可能性が上がるし、アーム類が曲がったりタイヤがバーストすることも考えられる。

 特にステアリングを切った状態でゼブラゾーンに乗るとダメージを負いやすいため、コースを熟知しておりクルマを正確に操作できる人を除いては、乗らないほうが無難だし雨のときは滑りやすいので特に用心しよう。

 ゼブラゾーンを大胆に使った走りはカッコよく見えるけど、クラッシュや愛車を傷めるリスクも高いということも覚えておきたい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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