電子スロットルの不満を解消する魔法のアイテム
クルマ用の電子パーツで「スロコン」と呼ばれる製品がある。正式名は「スロットルコントローラー」で、アクセル開度を制御する電気信号に割り込み、その制御を任意の動作へアジャストするものだ。このスロコンがどんなユーザーに有効で、どんなアイテムがあるのか見ていこう。
純正の設定はスポーツ走行には不向き
もともとアクセルの構造はワイヤー式が主流だったが、エンジン制御をさらに効率化するために電子式へ移行。ラフにアクセルペダルを踏んでもスロットルが無駄に開くことがなく、誰でも効率の良いスロットルワークができる仕組みとなっている。
安全装置としても電子スロットルは貢献しており、外部センサーと連携することでブレーキとアクセルの踏み間違いに対応するクルマも増加中。電子スロットルの制御は、現代のクルマでは重要なファクターに位置付けられているのだ。
ただ、スポーティな走りを求めるユーザーからするとダイレクト感のない電子スロットルは不評で、昔のワイヤー式のようにアクセルを踏んだだけ加速するスポーティさが欲しいところ…。アクセルをガバッと踏めば瞬時に加速するイメージなのに、電子スロットルの働きでマイルドなアクセルワークに変換されていてはおもしろくない。
手軽に装着でき設定も自在に変えられる
スロコンはこのような純正のスロットル特性をスポーティに変化させるもので、好みに合わせて何パターンかのモードを用意する製品が人気の主流となっている。純正よりも低燃費を狙ったエコモードを搭載する製品もあり、ドライバーの好みや走行シーンに合わせて使い分けられる人気パーツだ。
装着はカプラーONで簡単に取り付けられる物がほとんどで、純正復帰も容易なことから手軽にチューニングできる電子パーツとして今や市民権を獲得している。
エンジンを制御する「サブコンピュータ」と連携し、パワーアップしながらスロコン機能も発揮する製品も大手チューニングブランドから発売中。これからチューニングを進めたいユーザーは、計画的にパーツ選びをすることで、ムダな出費を抑えることができるだろう。
ライトチューンのレベルでは、電子スロットルの制御をスロコンで改善できるのだが、フルチューンの領域でスペックを追求するとなるとメインECU内のスロットルマップに手を加える必要が生まれてくる。ミッションのギヤやドライブシャフトといった駆動系の破損を回避するため、純正スロットルマップにて保護する動作が盛り込まれているからだ。そこまでチューニングするユーザーはひと握りではあるが、最新のコンピュータチューン事情としてお伝えしておこう。
