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「スマホ機能」が車内でフル活用できる! 待望のフルスペック「ディスプレイオーディオ」

「1DINの9V型」と「2DINの6.8V型」の2モデルが発売

 例年、ボーナス商戦と言えばカーナビの新製品が市場に登場するタイミングだ。そのなかでパイオニア カロッツェリアが満を持して投入するのは正確に言えばカーナビではなく、いま市場で話題となっているスマートフォンを接続することでアプリを活用できる「ディスプレイオーディオ(D/A)」と呼ばれるものだ。

 今回、同時に発表された2モデル「DMH-SF700」と「DMH-SZ700」のうち、上位に位置する大画面9V型モニター搭載モデル「DMH-SF700」の実機に触れ、その実力と可能性について探ってみたい。

ディスプレイオーディオ(D/A)ってなに?

 D/Aと聞いて、その言葉にまだ馴染みのない人も多いと思う。「そもそもD/Aとはカーナビなのか?」「これまで見てきたAV機能一体型のカーナビとは何が違うのか?」という素朴な疑問も起きるハズだ。

 D/Aは前述したこれまでのAV一体型カーナビからまさに「カーナビ」の部分を除いたユニットのこと。AV(オーディオ&ビジュアル)機能に関しては若干の機能差も発生するが、概ね解釈としてはこういうことである。

 では“ナビ機能はどうなるのか?”という疑問も持ち上がる。そこに登場するのがスマホにインストールされた「カーナビアプリ」である。スマホ本体とケーブルで接続し、スマホより大きな画面に表示することでカーナビとしても使えるようにしたのがD/Aなのである。

iPhone(iOS)とAndroidをフル活用できる

 現在、国内はもとより、世界で多くの人が使っているスマートフォン。Appleの「iOS」とGoogleの「Android」、この2つのOSをインストールしたスマホが主軸になっていることは多くの人が理解していることだろう。

 その両社が提供する自動車向けの情報サービスがAppleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」だ。D/Aとスマホを接続することで両社が提供するサービスをD/A側で操作することが可能。「CarPlay」はSiriアイズフリー、「Android Auto」は音声認識機能を使い、目的地検索のほか楽曲の呼び出しや再生、さらにハンズフリーによる通話、そしてAmazon Musicに代表される音楽配信サービスの再生にも対応する新時代のインフォテインメントシステムなのである。

大画面でスマホアプリが使える利便性の高さ

 新型「DMH-SF700」はこの両社のサービスに対応していることは言うまでもないが、最大の特徴は9V型の大画面を採用している点だ。従来であればディスプレイは2DINを中心とした取り付けスペースにより7V型が上限だったが「DMH-SF700」はディスプレイ自体を本体からフローティングさせる(浮かせる)構造により、大画面化を実現している。

 さらにこのディスプレイは高画質のHDパネルを搭載、ナビアプリの地図画面や動画なども従来以上の美しさで表示することができる。

ディスプレイはきめ細かい調整も可能

 デモカーのホンダN-BOXカスタムに設置された「DMH-SF700」。クルマに乗り込んで驚くのはやはりその存在感だ。N-BOXのオーディオスペースはインパネの上部にあるのでもともと視線移動が少ないのはありがたい。

 しかも「DMH-SF700」はさまざまな車種に対応できるように取り付け時にディスプレイの前後(奥行)を20mm(2段階)、左右(横)を30mm(3段階)、上下(高さ)を60mm(5段階)調整できる。そして取り付け後は画面角度を正対状態から、上部を奥側へ15°、下部を手前に60°動かすことができる。つまりクルマのインパネの構造やドライバーの体格の違いなどにも最適な調整が行なえるわけだ。

画面の発色や精細さ視野角も広い

 テストにはiPhoneとAndroid携帯、両方を用意しケーブルで接続、それぞれのシステムをテストした。驚いたのは前述したようにHDパネルによる地図画面などの美しさだ。ディスプレイパネルはフラットでデザイン性も優れているのだが、もともとの地図アプリがこんなに精細に作られていることを改めて驚いたくらいの表示能力の高さである。また発色の良さにプラスして助手席側からも地図画面がしっかり確認できるくらい、視野角が広いのも見事。タッチパネルのレスポンスも静電容量方式の採用により、地図のスクロールやスケール切り替えなどもスムーズに行なえた。

YouTube動画やwebの閲覧も楽しめる

 「DMH-SF700」の魅力のひとつに、この大画面を活用したメディア対応力の高さが挙げられる。今回「CarAVAssist」という無料の専用アプリがリリースされており、これをスマホにインストールすることでwebサイトのブックマークが可能。このブックマークを本体に転送することでYouTubeなどの動画配信サービスを高画質かつ高音質で楽しむことができる。

 補足すると、このwebブラウザへのブックマーク転送は、Bluetoothで行なえるので手軽だ。さらに標準で搭載されているHDMI入力やUSB入力を使えば、スマートフォンやUSBメモリなどに保存した動画の再生も可能。音質面でも話題のハイレゾ音源(96kHz/24bit)の再生のほか、Bluetooth使用時でもハイレゾ音源が楽しめるLDACにも対応、さらに「タイムアライメント」機能などこれまでカロッツェリアが培ってきた技術を惜しみなく投入している点も大きな魅力と言える。

クルマと家がつながる! 「Amazon Alexa」に対応

 そして「DMH-SF700」の可能性を大きく拡張させるのがDAとしては国内初となる「Amazon Alexa」の搭載だ。「Amazon Alexa」には音声を使うことでさまざまな機能を活用できる「スキル」と呼ばれる仕組みがあるが、その数はすでに1500以上あり、音声で天気予報や最新ニュースだけでなく、英語のレッスンや家電のコントロールなど多彩な楽しみ方を提供してくれる。

 つまりこれを活用することで対応する家電などをクルマの中からコントロールすることができるわけだ。わかりやすい機能としてはこれからの季節、車内から事前に家のエアコンのスイッチをONにしておけば“入室と同時に快適”といったホームオートメーション(HA)的な使い方も可能。まさにクルマと家がつながる未来の生活を実践することができるのだ。

 また「DMH-SF700」専用に開発された「カロッツェリアスキル」を追加すると再生ソースの切り替えやイコライザーなどの音質調整も“音声で”行なうことができる。

システムアップも含め将来性も十分

 今回個々のアプリに関して多くは触れなかったが、スマホアプリの利点はアップデートの頻度が高い点にある。ちょうどテストした当日は無料のカーナビアプリとして人気の「Yahoo!カーナビ」が地図画面の大幅なリニューアル、また有料ではあるが高いルート検索&渋滞回避能力を持つ「カーナビタイム」も細かなアップデートを行なった直後だった。

 つまりアプリの進化イコール「DMH-SF700」の進化するという点が最大の魅力であり、ナビアプリの他、音楽/映像/SNSやメール/ニュースなどのコンテンツの進化もユーザーが車内で常に体感することができるわけだ。

 今回は「DMH-SF700」をメインに紹介したが、6.8V型ディスプレイを持つ「DMH-SZ700」も同時に発売されている。このモデル、ディスプレイの大きさとHD画質でない点以外は基本性能は同じである。基本は「DMH-SF700」をイチ押しするが「DMH-SZ700」のコストパフォーマンスの高さも捨てがたい魅力。予算とニーズに合わせて選ぶのが良いだろう。

1DINメインユニット[DMH-SF700]●オープン価格(店頭予想価格9万円前後・税別)
9V型HD/Bluetooth/USB/チューナー・DSPメインユニット

2DINメインユニット[DMH-SZ700]●オープン価格(店頭予想価格5万2000円前後・税別)
6.8V型ワイドVGA/Bluetooth/USB/チューナー・DSPメインユニット

 

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