障害者が利用できる建築物・施設を明確に示す
国際シンボルマークとは、障害のある人が利用できる建物や施設であることを示す世界共通の印だ。四角い青地に、白く車椅子に座る人が描かれており、よく見かけるのは駐車場の指定場所として地面に描かれているものではないか。
米国のニューヨークに本部がある国際リハビリテーション協会が、1962年に制定した。それまでは様々な図案があったため、世界で誰もがわかりやすいことを目的に統一されたのだ。国際リハビリテーション協会は、あらゆる障害を対象とした組織で、障害のある人とリハビリテーションの専門家が活動しており、国際連盟の民間諮問機関でもある。
日本では1981年の国際障害者年を契機として、この国際シンボルマークが使われるようになった。公益財団法人の日本障害者リハビリテーション協会が、国内の使用管理を行っている。
クルマに、この国際シンボルマークを貼っている例も見受けられるが、本来の目的は冒頭にも書いたように、建物や施設に明記するのが目的だ。ただし、クルマに貼ることが違反になるわけではない。それでも、たとえば福祉車両が駐車違反を免除されるような場所で、この国際シンボルマークが許可の証となるわけではない。障害者が同乗していることを示す以外の利益はない。
クローバーマークの意味とは
クルマに貼る目的で定められているのは、クローバーマークと呼ばれる、四つ葉のクローバーの印だ。丸い青地に、白で四つ葉のクローバーが描かれている。
クローバーマークの目的は、自らクルマを運転するため、運転免許証に条件(手動式・左アクセル等・下肢障害によるAT限定など)が書かれている人が、周囲の運転者などに対し明らかにするものだ。正式名称は、身体障害者標識という。2002年に、障害者に係わる免許の欠格事由の見直しという道路交通法の改正が行われ、定められた。ただ、クルマに貼るなどして明示することは努力目標とされ、義務ではない。
改めて、クローバーマークの対象となるのは、四肢の麻痺や欠損、あるいは体幹機能障害のある人で、一時的な骨折など怪我の場合は対象にならない。また、聴覚障害の人には、別に、聴覚障碍者標識というのがあって、その図案は、丸の緑地に黄色で蝶の絵が描かれている。
クローバーマークは、車体の前後に貼るように指定されており、そのクルマの周囲を走る運転者に対しては、初心者マークと同様に保護義務があって、それらのクルマに対し幅寄せや割り込みを行うと、罰則の対象になる。行政処分で1点の減点となるほか、普通車の場合で6000円の罰金が命じられる。さらに悪質な場合は、刑事処分や5万円以下の罰金が科せられることになる。
最後に、国際シンボルマークは商標登録されており、管理を行う日本障害者リハビリテーション協会で購入することができる。その設置や貼り付けに際しては、建物については国や自治体の基準に沿うことが必要で、交通機関などでは、表示した場所へ車椅子で辿り着ける道筋となっていることが条件になる。
クローバーマークは、各都道府県の安全協会、運転免許試験場内の売店、カー用品店、ホームセンターなどで購入できるほか、インターネットでも入手できる。そして、障害を持つことから駐車禁止場所での免除を求める駐車禁止除外商標は、警察署へ申請を行う。