GLM トミーカイラZZ初陣は来年に持ち越し
6月末、ヒーローしのいサーキットで第98回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム参戦車両となる、GLM トミーカイラZZのシェイクダウンを行ったチームSAMURAI SPEEDと、トップラリー・ドライバーである奴田原文雄選手が7月11日(土)、再び国内でマシンのテストを行った。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、1916年に初開催となった世界で2番目に古いレースである。アメリカ・コロラドにあるパイクスピークという山を舞台に、スタート地点(標高2862m)から、標高4302mのゴール地点まで全長20kmのコースをいかに速く駆けあがるかを競うヒルクライム・イベントである。今回で98回目となる今年の大会は、COVID-19の影響で無観客での開催になることとなっている。
今回参戦するGLMのトミーカイラZZ(#230 2020年式 GLM Tommy Kaira ZZ )は、市販モデルの2台分となる36kWhのバッテリーを搭載する。基本的なボディサイズは市販モデルの全長3870×全幅1740×全高1140mmと変わらずで、それにエアロデバイスが装着されている、ということだ。市販車の車両重量は850㎏であったが、バッテリーを2台分積んでいるため、これを大きく上回る。ボディカウルやミラー、ダッシュボードに、セルロースナノファイバーを使用するなど、軽量化も進めている。
天候が安定しない1日となったこの日、最初の走行からパイクスピーク参戦を意識して20kmを越える11周の計測を行うロングランから走行をスタート。その後、充電と各所のチェックを行って、完全に雨となった2度目の走行セッション(リアウィングを外して走行)でも電欠までフルラップをしてこの日の走行を終えた。
奴田原選手は「残念ですけど、この新型コロナは世界的に見ても収束する気配もないので、しかたがないというか、今回のチームの判断は賢明だと思います。チームのサポートしてくれる皆さまにきちんとした結果を出すことも考えると、今年はテストに集中して来年に向けてやれればいいかなと思います」とすでに気持ちを切り替えていた。
チームは、2021年6月開催予定の第99回のパイクスピークへの参戦の準備を進め、車両の戦闘力アップの施策を継続的に続けるとしており、さらに本年度内に開催される国際ヒルクライムイベントへの参加を検討していくという。