古臭いデザインがオシャレで人気急上昇!
クルマのカスタマイズ手法にもさまざまなジャンルがある。中でも近年注目されているのがフェイスチェンジだ。その名の通りクルマのフェイス(サイドやリアもまとめて変更するケースもある)をそっくり変更して、オリジナルのクルマに変身させる手法だ。
アメリカなどではベースとなるシャーシに別のクルマのボディを載っけたり、旧車のレプリカを作って設置するなど、古くからあるカスタム手法だ。 しかし日本で近年盛り上がっているのはFRPを使ったパーツをベース車のフェイスにすっぽりと被せて変身させる手法。ボディのカットや加工などを伴わないので、比較的手軽に行えるカスタム。
そんなフェイスチェンジの潮流の中でテーマとしてもてはやされているのがレトロなデザインのフェイスチェンジだ。 現代のクルマのデザインでは飽き足りなくなったユーザーが、現行車には無いレトロなテイストを求めてカスタムする例が少なくない。
これまでのボディカスタムのようにヘビーなカスタムユーザーだけでは無く、女性ユーザーやカスタム初心者にも注目されるジャンルになっているのもレトロテイストのフェイスチェンジの特徴と言えるだろう。
代表的な例は軽バンをフォルクスワーゲンのタイプ2のようにモディファイする手法だ。丸目のヘッドライトや丸く張り出したボンネット、メッキバンパーなど、現代のクルマには無いカワイイデザインがあちこちに込められているのが特徴だ。
別のクルマに変身させるキットも存在!
さらにN-VANを往年の名車であるステップバンのフェイスに変更するキットも販売されている。こちらも丸目のヘッドライトが印象的で、グリルまわりのデザインなどもクラシカルな演出が施される。 これらのフェイスチェンジキットに見られる特徴は丸目ヘッドドライトだ。
近年は異形のヘッドライトが一般的で、旧車のような丸目の汎用ヘッドライトを用いる車種はほとんど存在しない。それだけに丸目ヘッドライトを備えているだけでもレトロ感を演出できる。メーカー製のレトロデザインの車種としてはダイハツのミラ・ジーノなどもそんな流れのクルマだった。 軽バンのみならず、いろいろなクルマに対してレトロテイストのフェイスチェンジが実施されている。
ランドクルーザー100系を丸目2灯の60系ランクルに先祖返りさせるキットや、現行ハイエースを先々代モデルである50系ハイエースの角4灯フェイスに変更するモデルも用意されている。ちょっと変わったところではハイエースを旧車のUSバン風にモディファイするキットも面白いところ。 また、メーカーも年代も飛び越えてまったく別のクルマに変身させるキットもある。
例えば現行ジムニーをランドローバー・ディフェンダーにフェイスチェンジするキットも用意されている。レトロデザインを現行車で楽しむには絶好のキットだ。
変わったところでは現行の軽トラ(ハイゼット)のフェイスをチェンジして80年代のハイゼットのヘッドライトの上にウインカーをレイアウトした、いわゆる往年の眉毛顔に変身させるキットもある。
本物の旧車は維持に手間とお金が掛かってしまう。そこで手軽にレトロテイストのクルマに乗りたいならばフェイスチェンジは賢い選択だ。当時を知るユーザーには懐かしいフォルムであり、若いユーザーには新鮮に映るレトロスタイル。バリエーションや対応車種も多いので、好みのモデルを選べる環境になりつつある。ライトカスタムユーザーにも絶好のチョイスとなりそうなフェイスチェンジカスタムを実践してみよう。