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「天才タマゴ」の初代エスティマはなぜ天才? 常識を覆した「もの凄い」中身とは

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TEXT: 大内明彦  PHOTO: Auto Meese Web編集部、トヨタ自動車

ひとまわり小さな「エミーナ」「ルシーダ」も登場

 ところで、日本ではエスティマがきっかけとなったミニバンという言葉だが、もともとはアメリカで生まれたもので、4〜6L級のフルサイズバンに対し、それよりひと回り小ぶりなバンをミニバンと呼んでいたことに由来する。エスティマ以降に登場した1.5BOXワゴン(バン)に対する総称として使われるようになったものだ。

 ちなみに、この1.5BOXワゴンのデザインはエスティマが登場する5年前、1985年にルノーが「エスパス」で具現化したのがその発端である。当時、日本でも外国車事情に通じた人の間では話題となり、ヨーロッパ市場でも注目を集める人気のモデルとなっていた。

 初代エスティマは動力性能、居住性能とも高いレベルで仕上げられたモデルだったが、全幅1800mm、エンジン排気量2.4Lと小型乗用車の枠組みを超し、車両価格も高価だったことがネックとなり、実売台数はいまひと息の状態だった。

 このことはトヨタも予見していたようで、すぐさまエスティマをサイズダウンして小型乗用車の枠内に収めた「エスティマ・エミーナ(トヨタ店)」と「エスティマ・ルシーダ(カローラ店)」をリリース(1992年)。この両モデルがユーザーに支持された。

 振り返れば、エスティマは新たな乗用車概念となるミニバンの魅力を、当時考え得る実用可能なデザインとメカニズムの投入で、市場にアピールするイメージ戦略モデルとしての役割が大きかったように思える。

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