グラベルのヒルクライムとはどこのイベント?
その田嶋選手が、求人動画で新たな参戦を匂わせた発言をしている。5月末に最初に公開された動画で、新たに製作された新造形のフロントカウルを前に置き「今年はグラベルのヒルクライムに挑戦するためマシンの開発を進めています」というのだ。 今年のパイクスピークは新型コロナによる感染拡大の影響で、決勝日を2か月延期し、8月30日が決勝日となっており、参戦する日本のチームはすでに船積みを終えている時期だ。
この時点でマシンが仕上がっていることを考えるとパイクスピークへの参戦のようにも思えるのだが、パイクスピークはすでに2012年に完全舗装となり、田嶋選手のいう「グラベルレース」ではない。 実際にそのカウルを装着して、静岡県袋井市と掛川市にあるエコパ(小笠山総合運動公園)での試走シーンも紹介されている。この動画を観る限り、車両自体はこれまで使用してきた「E-RUNNER」とみて間違いなさそう。新造形のフロントカウルにより全長は短くなり、リアのウイングも小ぶりになり低い位置に設置されている。この空力パーツの点からもパイクスピークへの参戦ではないことがうかがい知れる。
パイクスピークでは「E-RUNNER」は常にゼッケン1を付けていたが、この動画では70を付けていた。 これは田嶋選手の年齢を表すのか、パイクスピークとは違うヒルクライムに出ることを敢えて強調するためのものか、その真意は定かではない。 その詳細について、タジマモーターコーポレーションからは「正式発表はまだ先です」ということで不明な点ばかりだが、なによりもこの、70歳の挑戦には拍手を贈りたいものである。