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超定番お手軽カスタムの知られざるワナ! アルミ製エアバルブキャップの装着で最悪レッカー移動に繋がる怖れ

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

「異種金属接触腐食」を起こし外れないことも

 足下の手軽なドレスアップアイテムとして、興味を持っている人も多い、ホイールのエアバルブキャップの交換。純正ホイールのエアバルブには、味も素っ気もない黒い樹脂製のキャップがついているが、これをBBSやレイズなどのホイールのような金属製のキャップにするだけで、オシャレな足元に大変身! 

 たった数百〜数千円(編集部調べ)のキャップでこの満足感ならコスパは最高、といいたいところだが、純正ホイールをはじめ、大半のホイールが採用している、ゴム部品と一体になった黄銅=真鍮のバルブステムのエアバルブに、アルミ製のバルブキャップを組み合わせるのは実はリスクが高い。

 異なる金属同士が長時間接触していると「異種金属接触腐食」という、いわゆる『電蝕』という現象が起きることがある。真鍮とアルミは、食べ物で例えるなら「ウナギと梅干」「スイカと天ぷら」のように相性が良くなく、アルミ製のキャップと真鍮製のバルブステムを組み合わせると、接点が腐食し 最悪、固着してキャップが取れなくなることも。

 最低でも、ひと月に一度は空気圧をチェックしていれば、そこまでひどく固着することはないといわれるが、そのまま半年以上放置して、大変な目にあったという人は意外に多い。

自分で解決せずにプロに任せるのが一番

 もし、アルミキャップと真鍮のバルブステムが電蝕して、くっついてしまったらどうすればいいのか。実際にそうしたホイールをいくつもレスキューしてきたというタイヤホイールの専門店『嘉衛門』保土ケ谷店の清水店長に、話を伺ってみた。

「キャップとバルブステムが、完全に固着してしまうと、工具を用いても簡単に外すことが出来ません。無理に外そうとするとエアバルブを破損する恐れがあります。破損してしまうとタイヤの空気が漏れてしまい、パンクの補修が困難となるほか、タイヤ交換をしないとマイカーが動かせなくなります。そうするとレッカー移動を余儀なくされます。

 また、工具でホイールにキズをつけるリスクや負傷してしまう恐れもあります。怪我や事故を防ぐためにも作業はなるべく控えていただき、整備工場やタイヤホイールのプロショップ等に相談することをオススメします」とのこと。

「バルブキャップの固着なんて、最悪、プライヤーなどでエイッとやれば何とかなる」と簡単に考えず、真鍮製のバルブステムには、樹脂製のバルブキャップをつけるか、どうしても金属製にしたいときは、同じ真鍮製を選んで、『電蝕』が起きるのを防ぐことが肝要だ。

 また、清水店長によると「樹脂製や真鍮製でもホコリやカビなどで固着することがありえる」とのことなので、キャップの材質に関わらず、少なくとも1カ月に1回は空気圧を点検し、同時にエアバルブとキャップの点検も行い、キャップの固着を予防するよう心がけよう。

【取材協力】
ホイール・タイヤ専門店 嘉衛門
●東京都世田谷区等々力7-7-1
●TEL:03-5706-7777(本社・広報)

今年30周年を迎える老舗タイヤホイールのプロショップ。現在、東京と神奈川に4店舗を構え、国産軽自動車から輸入スーパースポーツカーまで幅広く取り扱う。経験豊富な熟練職人による丁寧な手仕事が自慢。

嘉衞門HP

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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