ライバルを圧倒 シーズンを席巻したF1GP用V6エンジン
ここまでは国産で市販乗用車用のV6エンジンを紹介してきましたが、最後にモータースポーツ、それもその最高峰となるF1GP用の名機を紹介することにしましょう。
それはホンダが80年代にF1GPに供給していた1.5LV6のツインカム+ツインターボ。マクラーレンとジョイントして年間16戦中15勝をマークしたRA168Eを筆頭とするV6のレーシングエンジン群です。
最初に登場したのは1980年のヨーロッパF2選手権にラルトとジョイントして挑戦した2LV6のF2用RA260Eでした。ちなみにこの型式名はRacing AutomobileのF2用6気筒80年モデルのEngineを表していて、先に名前の挙がったRA168EはF1用6気筒88年モデル、という訳です。
それはともかく、80年にヨーロッパF2に挑戦を開始したホンダは翌81年にはジェフ・リースをチャンピオンへと押し上げます。そして82年にはラルトに加えてスピリットにもエンジンを供給。そのスピリットとともに83年シーズンからはF1GPへのチャレンジを開始しています。
その後、ウイリアムズやロータス、そしてマクラーレンといったトップコンストラクターとジョイントして1986年から6年連続でチャンピオンに輝いていますが、その前半3年間は、1.5LV6のツインカム+ツインターボ。その究極のユニットがRA168Eでした。
余りのパフォーマンスからターボそのものが禁止されるというF1GPのレギュレーションまで変えてしまうほど、ライバルを一蹴する見事なパフォーマンスに、国内のファンも呆気にとられたことも懐かしいエピソードです。