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「旧車趣味人」だけじゃなく「高齢者」も泣く! 13年落ちで税金爆上がりの「旧車イジメ」の非情さと無意味っぷり

投稿日:

TEXT: 渡辺陽一郎  PHOTO: Auto Messe Web編集部

旧車乗りだけではない!  高齢者をも苦しめる古いクルマの増税問題

 腹の立つことは人生いろいろありますが、クルマ関連では税金が問題ではないでしょうか。

 消費税率が10%に高まったら、自動車取得税は廃止されることになっていました。確かに廃止されましたが、自動車取得税の代わりに、新しい「環境性能割」が加わりました。これは税金の名前と仕組みを少し変えただけで、徴収は存続しています。

 また自動車取得税、自動車重量税、燃料に含まれる税金は、道路建設や整備に使うための財源として徴税を開始しました。「自動車を使う人は、道路の恩恵を多く受けるから、道路に使う費用も負担してね」という考え方です。賛否両論ありましたが、一応は筋が通っていました。

 ところが2009年に、この道路特定財源制度は廃止されています。課税根拠も失ったので、税金も消滅するハズですが、今でも徴税が続いています。そして一般財源(普通の税金)として使われているのです。つまりクルマを所有すると、正当な理由もなく、多額の税金を負担させられます。これだけでも十分に腹立たしいですが、古いクルマのユーザーに、重税を押し付けることも行われています。

 毎年納める自動車税は、2019年9月末日までに登録された自家用乗用車なら、1501〜2000ccの区分が年額3万9500円です。これが初度登録から13年を超えると4万5400円に増えます。5900円の上乗せで、比率に換算すると15%の増税です。

 軽自動車税は、2015年3月末日までに届け出された自家用軽乗用車なら年額7200円ですが、初度届け出から13年を超えると1万2900円に急増します。5700円・79%の大幅増税です。

古くなった愛車の重量税がなぜ増えるのか不可解

 さらに自動車重量税も増えます。車両重量が1001〜1500kgの自家用乗用車の場合、一部の低燃費車を除くと通常は車検時に納める2年分が2万4600円です。これが初度登録から13年を超えると3万4200円、18年を超えると3万7800円です。自動車重量税は2段階で増税されます。

 増税する根拠は、古いクルマは燃費が悪く、環境負荷も大きいことです。ただし古いクルマだから燃費が悪いと考えるのは短絡的で、特に自動車重量税の増税は不可解です。古くなったから車両重量が増えることはないからです。

 要はエコカー減税などで低燃費車の税金を抑えるから、その代わりに古いクルマの増税をしたのです。見方を変えると、税金を高めることで、新車の購入を促しているともいえるでしょう。

 国はどのような人達が、どのような気持ちで古いクルマを使っているのか、考えたことがあるのでしょうか。高齢になってクルマを手放したいが、公共交通機関の未発達な地域で年金を頼りに暮らしているから、通院や買い物のために仕方なく古い軽自動車を使い続けている。そういった人達から、多額の税金を巻き上げるのが今の自動車税制です。

 そして重税に苦しんだ結果、新車に乗り替えれば、自動車業界の利益が高まります。我慢して重税に耐え続ければ、国の税収が増えます。

 自動車業界と国が手を組んで、どちらかが必ずトクをする仕組みを作り上げ、生活のために仕方なく古いクルマを使う人達を苦しめているのです。福祉に反しており「モノを大切に使う」考え方とも矛盾します。読者の皆さんは、このクルマ関連の税金をどのように思われるでしょうか。

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