HREチームのポイントランキングトップは変わらず
昨年最終戦からチーム記録のトップ10フィニッシュ(上位10位以内)をチーム記録となる8にまで伸ばしてきた服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」と、そのチームの16号車をドライブするオースティン・ヒル選手だったが、その第8戦「VANKOR 350」でエンジンブローにより、その記録が途絶えてしまった。
アメリカでもっとも人気のあるNASCAR(ナスカー)で、唯一の日本人オーナーであるHREがフルエントリーで参戦を続けているのが、ナスカー3大シリーズのひとつ「GANDAR RV&OUTDOORSTRUCKSERIES(トラックシリーズ)。コロナ禍の影響で一時開催を見合わせていたが、5月の第3戦より無観客でのレースが再開。現地時間7月18日(土)、その第8戦が、アメリカ・テキサス州にあるテキサス・モーター・スピードウェイで、開催された。
トラックシリーズ第8戦「VANKOR 350」は、1周1.5マイル(2.41km)のクワッド・ オーバル・トラックを持つテキサス・モーター・スピードウェイ。このトラック167周(第1ステージ40周、第2ステージ40周、最終ステージ87周)で行われるレース。今回も、新型コロナウィルス感染拡大を受けて無観客・練習走行と予選はなし・決勝レースのみを行うレースフォーマットでの開催となった。決勝グリッドについては、上位10グリッドはシリーズランキングトップ10によるクジ引きとなり、今回HREの16号車は3番グリッドからのスタートとなった。
決勝レースは予定通り18日午後8時にスタート。オースティン選手の駆る#16 United Rentals TOYOTA TUNDRAは、レース序盤からスピードが乗らず、周回を重ねるごとにポジションを下げていく展開で、15周目には12番手まで後退。
チームは、12位の順位で第1ステージのチェッカーを受けた16号車をステージブレイクでピットに戻すと、給油と4本のタイヤ交換とともに、車高調整をこなして、見事に9番手でコースに戻すことに成功。46周目に第2ステージがスタートするも、スピード戻らず、「ストレートで伸びない」マシンにてこずるオースティン選手は51周目には13番手まで順位を落としていた。
60周目に出されたイエローコーションを使ってチームは再びマシンをピットに戻し、マシンバランス調整に加え、水温とスロットルの調整を行ってコースに復帰させる。残念ながらそれでも改善が見られないまま16号車は周回を重ね、74周目からのイエローコーションでもピットイン。15番手で第2ステージのチェッカーを受ける。
88周目から最終ステージのリスタート。しかし「ストレートが伸びない」との無線がオースティン選手から入る。そして、明らかに直線でのスピードが落ちてきた107周目にマシンから白煙が上がりエンジンブロー。ここでレースを終えることとなった。
チームにとって今季初のリタイアとなったものの、シリーズランキングトップはキープしている。続くトラックシリーズは7月24日(土)・25日(日)の2日続けての連戦になる。その舞台はカンザス州にあるカンザス・スピードウェイである。