【リフトアップ編】「アゲ派」でいくなら14/15インチがおすすめ
続いてリフトアップ向け。どちらかといえばタイヤよりホイールの方が注目されるローダウン系のカスタムと違い、リフトアップではタイヤが主役となる。偏平率は高く、外径も大きく、横から見た時にボリュームのあるタイプが好まれる。
しかし外径が大きすぎると、スピードメーターと実速度の誤差が大きくなるし、タイヤハウスにも収まり切らない。リフトアップ量にもよるものの、30ミリ前後の「ちょいアゲ」レベルではあまり大径のモノは履けないと思った方がいい。
そして何よりも重視されるのがタイヤの種類。リフトアップするなら普通のオンロードタイヤではなく、ぜひゴツゴツしたオフロード系を選びたい。だがそうしたタイヤは、軽バンが履けるサイズは少ないのが現状。ローダウン向けタイヤのように「このサイズなら銘柄は選び放題」という感じではない。よってまず銘柄ありきでサイズを決めるケースも多いだろう。
以上のことを含めると、アゲ向きのインチ数は14または15インチになる。12インチでは純正と同じだし、13インチもアリだがオフロード系タイヤの選択肢がほぼない。16や17では外径が大きすぎてアウトになる。14/15は見た目のバランスも良く、商品ラインナップもそこそこ多いので選びやすいのだ。
タイヤの「厚み」で選ぶなら14インチが有利
14インチで無難なのは155/65R14(外径558ミリ)。これは一般的な軽自動車の標準グレードに採用されているサイズ。タイヤのラインナップは山ほどあるが、そのほとんどが普通のオンロードタイヤだ。
前述の通り、アゲバンならその辺に用はないのでオフロード系で絞っていくと、最有力候補としてトーヨータイヤ・オープンカントリーRTが浮かび上がる。「今年2月に追加された新サイズ。トーヨーがなぜRTに155/65R14を設定したのかナゾですが(笑)、軽トラ・軽バン、スペーシアギアなどリフトアップ軽のニッチな層にジワジワ人気が出ています」とSスタイルの菅原さん。
他にはアジアンタイヤのナンカン・マッドスターラジアルATも同サイズあり。こちらはホワイトレターになるのでドレスアップ効果も高い。
その他で14インチといえば、165/65R14(外径570ミリ)もナンカンのFT-9やマッドスターラジアルATに設定がある。外径は大きめだが、30ミリほどリフトアップすれば履けるだろう。
また上級者向けとしてヨコハマのジオランダーX-ATに、145R14(外径590ミリ)というサイズも存在。新しい銘柄だし、ルックスもオープンカントリーに劣らずカッコいい。「しかし、このクラスの外径だと3~4インチ(約7.5~10センチ)は上げないと履くのは難しいでしょうね」。
15インチは165/60R15のほぼ一択となる
15インチを選ぶ場合、狙うはズバリ165/60R15(外径579ミリ)だ。「というか、他に目ぼしいサイズは皆無なんです。オフロード系になるとこれよりワンサイズ下も上もない。唯一、マッドスターラジアルATに175/60R15(外径591ミリ)もありますが、あとは195/80R15(外径693ミリ)など外径が巨大になる。これは3~4インチアップして、さらにオーバーフェンダーも装着しなければ履けません」。
なお、165/60R15はハスラーやキャストアクティバの純正サイズ。そのためオフロード系の銘柄も充実しており、トーヨータイヤ・オープンカントリーRT、ヨコハマ・ジオランダーAT、ナンカン・FT-9、マッドスターラジアルAT&MTなどがラインナップ。
「軽自動車向けのオフロードタイヤとしては最も選択肢が多いです」。
ちなみに先日発売されたダイハツ・タフトの純正タイヤは165/65R15(外径595ミリ)。これまでオフロード系ではノーマークだったサイズだが、タフトでカスタマイズが盛り上がれば対応商品も出てくるだろう。とはいえ、軽バンに履かせるには外径が大きいので、装着のハードルは高そうだ。
また「リフトアップしたいけどタイヤサイズは変えたくない」という人は、トーヨータイヤ・オープンカントリーRTとヨコハマ・ジオランダーMTに145/80R12がある。
どちらも見た目はゴツゴツしているので、純正同サイズでも代わり映え効果は高い。検討してみてはどうだろうか。
【取材協力】
エススタイル◆広島県広島市西区中広町3-19-26
◆tel.082-548-9602
◆営業時間:10時~19時
◆定休日:イベント参加日