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注目のルーキー登場! 川合孝汰選手がプロクラスで完全優勝【TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race】

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TEXT: 岡村神弥(OKAMURA Shinya)  PHOTO: 服部真哉

待ちに待った開幕戦はSUGO! 悪天候に左右されたハードなレースに

 4カ月遅れでやっとスタートすることになった2020年シーズン。第1戦から第4戦までが延期・中止になったために、第5戦のスポーツランドSUGOが開幕戦となった。

 レギュレーションの変更はほとんどなく、注目されるのは例年になく新しいタイヤが登場したことだ。ダンロップは精力的にクラブマンシリーズ用のβ02をマイナーチェンジ、プロフェッショナルシリーズ用にはニュータイヤβ05を投入した。クラブマンシリーズだけに参入しているヨコハマは、名前こそA-052で変わらないが、かなり大幅な進化となっている。両シリーズのチャンピオンタイヤであるブリヂストンは、とりあえず音無しの構えだ。

 しかし待望の開幕戦は、残念なことに悪天候に大きく翻弄されることになった。梅雨開け直前の不安定な天気は、スポーツランドSUGOを断続的に濃霧で覆い、視界不良のためコース走行できない情況へと追い込まれた。

 さらに、この週末はヴィッツレース、ポルシェカップ、TCRジャパンと、レースイベントが数多く組み込まれていて、主催者側としてはレーススケジュールを遅延させることが困難だった。そのため、レースの周回数の減算だけでなく、レース進行の時間短縮なども行われた。それがエントラントに周知徹底されていなかったことによって、大きな混乱を招き、レースに大きく影響することになってしまった。

 本来なら今シーズンの勢力図を含めて、次戦以降を想像させるのが開幕戦の注目点でもあるが、レース全体が混乱し、そうした情況にはならなかった。

プロフェッショナルシリーズ

 新しいダンロップのディレッツァβ-05は、やはり高性能だった。予選で#60服部尚貴選手がポールポジションを獲得して見せた。ただこの予選、服部尚貴選手がタイムを出した直後、その後ろでタイムアタックしていた#80宮田莉朋選手が最終コーナーでクラッシュし、赤旗中断となってしまった。それにより、すでにタイムアタックに入っていたドライバーは、そのチャンスがフイになった。

 3年連続、5度目のチャンピオンを狙う#1谷口信輝選手もそのひとりで、予選7位に沈んだ。2019年シリーズランキング2位の#7堤優威選手もまた、タイミングモニターで各セクターの全体ベストを出していたアタックがフイになり、予選9位へ。

 再開後の予選で上位に顔を出したドライバーは少なかった。その中のひとり、このレース初参戦となる#521川合(かわあい)孝汰選手が、2位へと食い込んだ。1週間前のSUPER GTで初参戦初優勝した勢いそのまま、SUGOに持ち込んだ形か。上位陣の中では唯一服部尚貴選手だけがダンロップで、雨を想定した他のドライバーはブリヂストンを選択していた。

 土曜日午後の第1ヒート、スタートから服部尚貴選手のペースが上がらず、2位以下が詰まるような形でレースが進んでいった。そして6周目の最終コーナーで仕掛けた川合孝汰選手が7周目の1コーナーでトップを奪う。服部尚貴選手はそのまま#34佐々木雅弘選手、#87久保凜太郎選手にもオーバーテイクを許し、一気に4位にポジションダウン。

 トップグループはそのままの順位で第1ヒートを終えた。谷口信輝選手は、彼らの直後、5位に順位を上げた。

 日曜日の第2ヒート、濃霧によるディレイの後、セーフティカースタートとなった。スタートでのポジションアップを狙っていた谷口信輝選手は、その可能性を失った。しかしなかなか霧は改善せず、結局セーフティカーが解除されたのは6周目終了時点。残り4周の超スプリントレースとなった。そこで服部尚貴選手がスパート、8周目に3位、9周目に2位へと上がった。しかしトップには届かなかった。

 川合孝汰選手はヒート2も制して、初参戦初優勝を遂げた。注目のルーキーが登場したことは間違いない。

エキスパートクラス

 濃霧の影響を最も多く受けたのはエキスパートクラスだった。土曜日の午前中に予定されていた予選はディレイの後に、キャンセルされてしまったのだ。これはレースプログラムが多く、大幅にディレイすることができなかったことが予想される。実際に直後のプロフェッショナルシリーズの予選が始まる前には、霧はかなり改善していたのだ。

 最終的には午後の決勝第1ヒートのタイミングで予選を、2ヒート制はキャンセルされ日曜日の第2ヒートで、通常の決勝レースを行うことになった。

 その予選、ポールポジションを獲得したのは#56鶴賀義幸選手。他のドライバーがほとんどアタックを終えてから、悠然とコースインし、#130松井宏太選手のタイムを更新。まるで谷口信輝選手のような横綱相撲だった。

 そして決勝レースもまた谷口信輝選手のように、最後にコースイン。しかし、そこに落とし穴が口を開けていた。スタート進行の時間が短縮されており、グリッド上での作業時間がなく、タイヤの空気圧を調整することができなかった。結果として鶴賀義幸選手はウエットの空気圧でドライの路面を走ることになってしまった。 こうした情況は他のドライバーにも、また第2ヒート直前に雨がパラパラしていたプロフェッショナルシリーズでも、何人かのドライバーが陥っていた。

 スタートではトップをキープしたものの、タイヤの温度が上がるにつれてグリップが苦しくなっていく。4周目からは松井宏太選手との激しいバトルが展開されていくが、6周目にはついにトップを明け渡した。7周目には#556呉良亮選手にもオーバーテイクを許し、3位へと後退してしまった。

 松井宏太選手は昨年のSUGO以来、1年ぶりの勝利となった。

オープンクラス

 予選でポールポジションを獲得したのは#62咲川めり選手。ヴィッツレースで活躍してきた実力が、初レースとなる86でも活かされた形だ。女性ドライバーのポールポジション獲得は、このレースでは初だ。(Bレースを除く) しかし第1ヒート、予選2番手の#124西澤嗣哲選手がスタートを決め、トップへ。3番手の#57佐藤純一選手のペースが苦しく、結果としてトップ2台が後続を引き離していく。結局第1ヒートは西澤嗣哲選手が優勝し、2位に咲川めり選手。3位には#808木下智裕選手が入った。

 日曜日の第2ヒート、濃くなっていた霧のためセーフティカースタートとなった。しかし改善することなく、4周目に赤旗中断。そのままキャンセルとなってしまった。

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