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「おやじホイホイ」「キーがたくさん」「暑い寒いは当たり前」! 普通の人には理解できない「旧車乗りあるある」12選

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 近藤曉史、FCA、Auto Messe Web編集部

旧車オーナーなら1度は体験するあるある話

 旧車が欲しいとか、旧車オーナーになりたいと思っている方も多いと思う。性能は落ちるとしても、今のクルマにはない個性にあふれているし、「自分は旧車のオーナーである」という優越感にも浸れるだろう。

 それは確かにあるものの、今のクルマにはない驚きの珍事は当たり前のようにあったりするだけに、スマートな旧車ライフはなかなか送れなかったりする。でもそれも含めて「旧車に乗る」というワケなのだが……。そこで今回は旧車オーナーならではのあるあるネタを紹介しよう。

1)キーがいっぱいある

 スマートキーなんてなんのその、アナログキーしかないが、それにしても常識的には1本というのが普通だろう。しかし、旧車は違う。まず、そもそもドアとエンジンが違うというのがあって、そうなると当然2本存在することになる。そしてもうひとつが1本でドアもエンジン始動もカバーしていたのに、長い歴史の間にドアのキーシリンダーだけ交換されてしまっているパターン。キーシリンダーを新調したローバーミニのドアノブ

 そうなると、運転席のドアだけ違うということになったりする。ちなみにバイクの旧車でも、エンジン/ハンドルロック/ヘルメットホルダーの3つがすべて同じキーで作動するものを「1本モノ」と言って珍重される。キーはそれほど、それまでの歴史、そして程度を反映するものなのだ。ローバーミニのキー

 ちなみに筆者の旧車はカギ穴がバカになっていて、ドライバーでも開けることが可能……。

2)突然止まる

 エンコ(エンジン故障の略)やエンスト(エンジンストールの略)は今や死語になりつつも、昔はフツーにエンジンは止まっていたし、掛からなくなったもの。原因はいろいろとあって、電気系や燃料系、エンジンそのものという場合もあった。機械だから、エンコも当たり前という意識があったのは確か。慌てず、騒がず、壊れたら直せばいい、という精神だ。フィアット500Lをメンテナンスしているところ

3)雨の日は乗らない

 当然、現役時代は雨でも乗られていたが、価値が出てくるとサビが怖い。そうなると、雨の日は乗らないというか、乗りたくないという気分になったりする。ただ、セカンドカーがあればいいが、旧車1台ですべてを賄っている猛者はそんなことも言ってられないので、雨でも乗るしかない。そもそもの意識としても、乗る人と乗らない人に真っ二つに分かれるのが、雨の日問題だ。雨に濡れるローバー・ミニ

4)エンジンがかからない

 こちらはエンコとは違う、問題ないけどエンジンがかからないというパターン。とくに寒い日の朝はチョーク引いてもなかなかかかってくれず、その昔はヤカンでお湯をかけて、ヘッドまわりを温めたりしたもの。夏でも熱くてかかりにくくなるし、今のクルマがキーをひねればいつでもすんなり始動するのは、本来、極上の幸せなのだ。ハコスカのイグニッションキーシリンダー

5)暑い、寒い

 エンジン始動と同じく、エアコンはありがたいもので、それがない旧車は地獄だったりする。ヒーターはエンジンの熱を使うので効くことも多いのでいいとしても、クーラーは昔は高級装備なのでないのが当たり前。旧車のエアコンは空調が難しい

 付いていても「エアコン」ではなく、あくまでも「クーラー」なので、微妙な調整は無理でめちゃくちゃ寒くなったりする。湿気が多いと白い煙みたいなのがモクモクと出るし。現在、当時の冷媒であるR12が手に入りにくくなっているので、クーラーのメンテをどうするか悩ましいのも旧車オーナーあるあるだ。国産旧車に装着されているカークーラー

6)ハンドルが重い

 旧車に興味がある方なら、パワステなし。いわゆる重ステが当たり前なのはご存知だろう。しかし、頭でイメージする以上に重いのだ。とくにFFは、固まっているんじゃないかというぐらい重たい。コツは自らを鍛えるのと、少しでも動かしながら切るということ。完全停止の据え切りは至難のワザゆえ、これが理由で旧車を卒業する年配ファンもいるほど。据え切りが難しいパワステが付いていない旧車のステアリング

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