かつての刑事ドラマでは爆破されるクルマの定番!?
1979年〜1984年に全236話が放送された刑事アクションドラマ「西部警察」では、激しいカーチェイスが毎週のように放送された。破壊された車両は約4680台、1回につき平均約20台という計算になり、その規模にはただただ驚くばかりだ。さらに単なる破壊ではなく、爆破(爆発炎上)されるクルマが多かったこともスゴかった。
でも、1970〜80年代の刑事ドラマでは、西部警察に限らずクルマを爆破してしまうシーンは珍しくなかった。そこで今回は、西部警察を中心に、様々な刑事ドラマで爆破されたクルマを集めてみた。
1)日産セドリック
日産の上級車「セドリック」は、爆破されてしまうクルマの定番だった。西部警察では特にその台数が多く、ここではすべてのピックアップが難しいほどだ。放送初期の頃は3代目の「230型」が破壊・爆発用に用いられたが、放送期間が長かったため、セドリックも1983年にフルモデルチェンジを迎えており、それに合わせ壊される世代も「330型」から「430型」にシフトしていった。
今見ると、破壊要員のセドリックはどの代でもすべて古いクルマに見えるが、実際には放送時から見ると数年落ちだったりするのは意外だ。例えば430型セドリックが初めて爆破されたのは1983年5月放送のパートIII・第5話からなので、ざっと4年落ち。つまり、「壊しちゃうほどのかなり古いクルマ」ではなかったのだ。なお、この回で爆発炎上したセドリックは放送開始初期から使われていた「由緒ある」クルマだった。それをも容赦なく爆破してしまうのがいかにも西部警察らしいところである。
西部警察での破壊・爆破の印象が強いセドリックだが、他の刑事ドラマでも破壊の定番だった。西部警察の前に、渡哲也氏がレイバンのサングラスにスリーピースのスーツを着込むリーダーを務めた、“西部警察の原型”ともいえる「大都会」でも、セドリックはたくさん破壊・爆破されている。
また、どちらかというとトヨタ車の活躍が印象的な「太陽にほえろ!」でも、僚友のグロリアを含め数多くが壊され、爆破のシーンも数回見られた。このほか「特捜最前線」「あぶない刑事」「ザ・ハングマン」、さらに少し年代を遡った「非情のライセンス」「プレイガール」などでもセドリックの爆破シーンがある。
2)マーキュリー・クーガー
刑事ドラマでは犯人が乗っているクルマも重要な役どころで、中でもアメリカ車は強い印象を残している。当時のアメリカ車は国産車に比べ、ボディもエンジンも圧倒的に大きく、存在感は今以上に強かったのだ。
西部警察では、大門軍団のニューマシン「マシンX(C210型スカイライン2000GTターボ)」が初登場したパートI・45話で、犯人が運転して東名高速を逃走した挙句、最後は団長のショットガンを受けて大爆発した「マーキュリー・クーガー」が忘れがたい。黒いグリルの隠しライト、ボンネットに描かれたファイアーバードの絵も印象的だった。