専用アプリで走行データがまるわかり
走行後にデータを読み出すには、専用のアプリが用意されている。パソコンを使ってデータロガーに記録されたデータを読み出し、そのアプリで解析することができるのだ。
アプリの画面にはサーキットのコースが描かれ、ラップタイムはもちろんのこと、コース上のどこを走行したのかがわかる軌跡も表示。自身のライン取りやコーナーリングの進入・脱出速度など、タイムアップのヒントになるような情報がたくさん含まれているのだ。
さらにコーナリングGやブレーキングの強弱などもデータとして表示できるので、自分の走行を細かく解析することも可能だ。よっぽど走り慣れている人でない限り、これらのことをすべて把握しながら走るのは難しく、データ解析をすることで走行中には気づかなかったことがあとからわかる場合も多い。
さらに新旧の走行データを比べることも可能だ。例えば今日走った走行データと過去のベストタイムが出た周回では、どこが違うのかも一目瞭然。実際にコース上をクルマが走っているように表示されるシミュレーションを見れば、今回と過去の走行が同時に周回している状態で見ることができ、ライン取りやブレーキングの違いなどが一発でわかる。
また、記録されたデータには互換性があるため、仲間のデータと比べることも可能。つまり自分よりも速いドライバーと走行データを見比べて、自分のウィークポイントを探ったりすることもできるのだ。
ちょっと変わった機能としては、スマートフォンで記録した走行動画とGPSのデータをリンクさせて同時に表示できるモデルもある。走行後のドライビングチェックにかなり使えそうだ。
「10Hz」以上のモデルを選ぼう
現在一般的に使われているデータロガーには、表示部と本体が一体になったタイプ、本体のみのモデル(スマートフォンを使い表示や操作を行なう)がある。概ね2〜3万円台から購入可能だ。設置する場所や予算などを考えてモデルを選ぶと良いだろう。
そしてデータロガーを選ぶ際に気を付けたいのが記録の精度。商品には「10Hz」や「5Hz」などと記載されているが、これは1秒間に何回GSP電波を記録するかの数値だ。例えば10Hzであれば1秒間に10回記録しているので、0.1秒ごとに記録していることになる。5Hzであれば0.2秒となるので、Hzの数字が高い方が高精度なGPSロガーと言えるのだ。サーキットで用いるならより詳細な軌跡の表示やタイム誤差を考えれば10Hz程度の精度が欲しいところ。
ちなみに、スマートフォンにもデータロガーと同じような機能のアプリがあるが、専用のGPSデータロガーと比べると精度が低く、サーキットでの利用には不十分だ。
データロガーの情報はサーキットを速く走るためだけでなく、楽しさや安全性の向上にも貢献してくれる。サーキット走行をさらに充実したものにしたいなら、GPSデータロガーの設置を検討してみては?