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「精神論」から「クルマに触れない」練習まで! 実体験で語るサーキットで「速くなれる」方法5つ

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TEXT: 岡田幸一  PHOTO: Auto Messe Web編集部

3)パワーこそ正義である!!

 いやらしいハナシだが、タイムはお金で買うことが可能だ。モータースポーツとてスポーツなのだから、スポーツマンシップに則って腕で勝負するのはとっても美しい。だけど、クルマという道具を使ってスポーツする以上、道具の良し悪しで大きくラップタイムにも影響してくる。それこそが、モータースポーツの醍醐味のひとつ。初心者がある日突然、先輩たちのタイムを破って、ヒーローになれたりするのも、良い道具があればこそ。馬力アップされたロードスター

 サーキットを走る上で、それは決してズルくないことである。お金をかけてエンジンをチューニングして、パワーを得ることはまったく「悪」ではない。先輩たちはその意味を十分理解している。パワーこそ正義なのである。

 一例だが、乗り慣れたクルマがもともと100馬力だっとしよう。そのエンジンが200馬力になればパワーは2倍。タイヤやサスペンションは以前のままで、コーナーを以前と同じように走ったとしても、2倍のパワーがあれば直線を頑張るだけでも、理論上は大幅にタイムを更新することができるだろう。

4)グリップ力の高いタイヤに履き替える

 いろいろなことを忘れて、クルマをシンプルに考えた場合、クルマが地面と接地しているのはタイヤだけである。しかも、タイヤの接地面積はハガキ1枚分だとよく例えられる。足し算すれば、タイヤは4つあるので、それでもハガキ4枚分しかない。

 だから何をどうしたって、クルマにとって最後はタイヤ。サーキットでタイムを上げるのも、行き着くところはタイヤだ。

軽量ホイールとグリップタイヤ サーキットを走って感覚が研ぎ澄まされてくると、同じタイヤでも「今日はよくグリップするな」とか「あれ? 前回よりもグリップしないな……」などと感じることができるようになる。それは路面温度とか空気圧などによっても、その日の路面コンディションとタイヤの相性が微妙に変わってくるからだ。

 そして恐らくは「よくグリップするよね」という時のほうがタイムは良いはず。だとしたら思い切って今よりグリップ力に優れたタイヤに履き替えれば、タイムアップする確率は一気に跳ね上がる。グリップという意味では幅の広いタイヤにしてみるとか、新製品を試してみるというのも同様だ。

 タイヤのグリップ力は
少燃費エコタイヤ < 純正ラジアルタイヤ < スポーティラジアル < サーキット向けラジアル < サーキット用Sタイヤ < レース専用スリックタイヤ
という順に高くなっていく。本格レース用ハイグリップタイヤ

 

 ただエコタイヤを履いているクルマがレース用のスリックタイヤを履いたとしても、必ずしもタイムアップするとは限らないということを付け加えておく。タイヤというのはとても難しく、クルマとの相性がとても大事なのだ。足まわりのセットアップ、エンジンの出力特性などによって、タイヤの相性も変わってくるので注意が必要である。

5)シミュレーターでひたすら練習する

 実際にサーキットを走ればタイヤもブレーキパッドも減るし、運転をミスれば、クルマを壊してしまうこともある。もっと気軽に練習できればいいのだが、少なからずお金もかかるし。鈴鹿サーキットや富士スピードウェイともなると、マイカーで走れる機会すら多いとは言えない状況。

 そこで、サーキットでのタイムアップを目指したい人に超オススメなのが、レーシングシミュレーター。とにもかくにも、レッスンにはもってこい。以前はプロのレーシングドライバーぐらいしか触れることは難しかったのだが、いまでは、誰でも体験できるレベルにまで、全国各地にレーシングシミュレーターが置かれたショップがたくさんある。背景には、世界的に盛り上がっている、eモータースポーツの普及も大きく影響しているのは間違いない。

2020年春に開催されたeモータースポーツの1シーン

 シミュレーターをやったことがある人は分かると思うが、何もかもがリアル過ぎて、こう言っては何だが吐きそうになるぐらい。大量の汗もかくし、体力も相当消耗する。シミュレーターでトレーニングしたあとに、実際のサーキットを走ってみると、目に入る景色もクルマの挙動もじつに同じということにびっくりする。

ほぼ実車と同じ操作性が実現できる昨今のシミュレーター

 サーキットで速いタイムを出す方法としてのレーシングシミュレーターでのトレーニングは、プロドライバーも認めるほど最も有効な手段である。こう断言してしまうと、元も子もないのだが……。何が言いたいかというと、「では、レーシングシミュレーターで速いタイムを出す方法は?」と聞かれると、シミュレーターがリアル過ぎるがゆえに、「サーキットで速いタイムを出す方法は?」という答えと同じになってくる。

 このあたりの解説をしだすとキリがないので、別の「eスポーツ」を取り上げる機会に、また、あらためて。

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