待望の直6ツインカム・ターボと4WDを得た真打のGT-Rが登場
こうしたライバルの進化に対して日産が放った逆転打が8代目のR32系スカイラインに、半年遅れで追加されたBNR32GT-Rでした。
GT-Rとして初代の“ハコスカ”GT-R(PC10系)もツーリングカーレースで王者に君臨していましたが、このBNR32GT-Rもツーリングカーレースで敵なしの活躍ぶりでした。それもある意味当然で、当時のツーリングカーレースで主流となっていたカテゴリー=グループAの車両規則を徹底的に分析し、パッケージングを決定していたのです。
すなわちグループAでは、その排気量によって最低重量や使用できるタイヤサイズ、燃料タンク容量などが決められていました。そこで最も有利であると分析した4.5ℓ以下のクラスに編入されるよう、ターボ係数を乗じて4.5ℓ以下に収まる2.6ℓ(正確には2568㏄)という一見中途半端な排気量が決定されたのです。
さらに、ツインターボで600馬力ともそれ以上とも噂されたパワーを余すところなく路面に伝えるために4WDシステムが組み込まれるなど、BNR32型GT-RはグループAレースに勝つために生まれたクルマでした。もちろんロードゴーイングモデルとして王座に就いたのは言うまでもありません。