後付けメーターをあまり見かけなくなったワケ
ー実際の販売実績は減少しているのでしょうか?
「いいえ。後付メーターの需要が減少しているとは考えていません。ここ10年ぐらいでOBD IIコネクターから車両のCAN情報を取得したマルチメーターの人気が高まっています。クルマの外から見ると、かつての丸いメーターが並んでいる状態ではなく、四角い箱のようなものがダッシュボードにあって、レーダー探知機などと判断がつきづらくなっていることはあると思いますが……」。
「Defiでもアナログメーターの販売数は2015年ごろの期より減少傾向にありますが、マルチメーター(アドバンスZDやDSDF)の販売台数は落ち込んではいません。後付けメーター全体の販売台数は一定を保っていると言えると思います」。
ーアナログに代わりマルチメーターが人気の理由は?
「もうひとつ言えることは、車両の通信ネットワークやCANといった電動化の普及に起因することが挙げられます。例えば、電動パワステ、電子スロットル、自動ブレーキ(ABS)など、いまや、車両のなかには様々なセンサー情報が縦横無尽に走っていて、CAN通信で取得できる情報が急激に増えた背景もあるでしょう。それらを液晶ディスプレイを用いてマルチメーターに表示させるというワケです」。
ー純正でも液晶ディスプレーメーターが増えていますよね?
「マルチメーター(DefiではアドバンスZDやDSDF)とも関わりが深いですが、GRスープラなどにも見られるように、液晶ディスプレイ(以下:TFT)が純正採用される車両が非常に増えてきています。ハイエンドなスポーツカーに限らず、軽自動車の世界でもTFTがあたりまえになりつつあります。採用の背景には、自動車に搭載する上で重要な耐久性、信頼性を備えたTFTが量産できるようになったこと、さらにはサイズバリエーションの拡大もあるでしょう」。
ーいまのトレンドはTFT+アナログ表示?
「最近の純正TFTメーターはTFT自体の性能が上がったことと、デザインの使いこなしができていることは評価すべきポイントだと思います。年々、色々なノウハウの蓄積で様々な表現が具現化できるようになってきています。レスポンスの良い表現が可能となり、TFTメーターにアナログ的なデザインを採用する事例が増えているようです。表示機がかつてのアナログメーターからマルチメーターに変わっても、やはり“アナログ”が昔も今も見やすいことは変わらないポイントです」。