御用になりたくなってしまう(!?)高性能パトカー
日夜、我々の平和や安全を守るために走り回ってくれているパトカー。安全運転が身上のドライバーにとっては追いかけられる可能性は皆無であるが、なかにはアッと驚くポテンシャルを持った車両をベースとしたパトカーも存在している。今回はそんなハイパフォーマンスなパトカーをいくつかピックアップして紹介しよう。
【日産スカイラインGT-Rオーテックバージョン】
日本のみならず、海外にまでその高いポテンシャルが知られるところとなっているスカイラインGT-R。そのベースとなったスカイライン生誕40周年を記念して、オーテックジャパンが作り上げたのがいわゆる“4ドアGT-R”と呼ばれるオーテックバージョンだ。
4ドアボディではあるが、ベースとなったのは2ドアボディを持つR33スカイラインGT-Rで、それにセダンのボディを架装したというのが本当のところ。そのため車両型式も「BCNR33改」となる。
そんなR33オーテックバージョンはすでに現役を退いているが、神奈川県警保有の車両は交通安全運動のイベントなどに登場することもあり、現在でもその姿を見ることができる。また、現行型のR35GT-Rも栃木県警に寄贈された個体が存在し、同県警の高速隊の車両として登録されている。
【日産フェアレディZ NISMO】
新型の登場が示唆されてにわかに注目度が上がっているフェアレディZ。すでに現行型のZ34系は登場してから10年以上が経過したロングセラーモデルではあるが、そのポテンシャルは未だに高い位置にあると言っても過言ではないだろう。
そんなフェアレディZの頂点に位置するのが「NISMO」だ。専用チューンが施されたVQ37VHRエンジンは355PSを発生し、6速MTのほかMTモード付7速ATも用意されている。2015年度に警視庁に配属されたフェアレディZはこの7速AT仕様のNISMOで、それ以前に活躍していたマツダRX-8の後継車種として導入された。
【トヨタ・マークX+Mスーパーチャージャー】
2019年末にマークII時代から数えると51年もの歴史に幕を閉じたマークX。そんな最後のマークXをベースにモデリスタがスーパーチャージャーをドッキングさせたのが、+Mスーパーチャージャーだ。
3.5リッターのV6エンジンに専用スーパーチャージャーをプラスすることで、360PS/50.8kgf・mというパワーを実現。
下手なチューニングカーよりもハイパワーなこの車両は都内の首都高を中心に複数台配備されているが、その異様なオーラから覆面パトカーでありながらその存在がバレバレという状態になっている。とはいえ、その存在感が抑止力に繋がるのであれば、それもまたアリと言えるのかもしれない。
【スバルWRX S4】
過去にはインプレッサWRX STIがパトカーに採用されたこともあるスバル。さすがにWRXのSTIは採用されていないようだが、FA20ターボを搭載したWRX S4は何台かパトカーに採用されている。
そのなかでも最近、埼玉県警に配備されたWRXは、あのスバルの代名詞であるWRブルーパールをまとっており、一見するとただのクルマ好きにしか見えない。現状はフルストック状態だが、STIやニュルブルクリンクのステッカーが備わっていれば熱心なスバリストを装えるので、もしステルス性を上げたいのであればぜひ参考にしていただきたい。
今回はハイパフォーマンスなパトカーをご紹介したが、実はパトカーの代名詞でもあるトヨタ・クラウンも、高速隊に配備される3.5リッター仕様は315PSを誇っており、R33GT-RやWRX S4をも上回るパワーの持ち主だったりするので、甘く見るのは禁物である。