ハイゼットを発展させたフェローの登場
軽商用車としてピックアップトラック&ライトバンをそろえていたハイゼットをベースに、乗用車が登場したのは66年のことでした。
ダイハツ・フェローと名付けられた2ドア3ボックスのセダンはL37Sの型式名が示す通り初代ハイゼットの最終モデル(トラックがL37、バンがL37V)の発展モデルでしたが、商用車系がリアサスペンションをリーフリジッドで纏めていたのに対し、フェローではダイアゴナル・スイングアクスルによる独立懸架とし、4輪独立懸架を奢っていました。
また“プリズムカット”と呼ばれるスクエアなデザインは国産車初の角型ヘッドライトの採用と相まって上質感を演出していました。エンジンはハイゼットの最終モデルと同じ2ストローク2気筒の空冷ZL型を水冷化したZM型(最高出力23馬力)を搭載。大人4人が無理なく乗れる軽乗用車として人気を博し、ダイハツの基盤強化の一助となりました。
68年には、前年に、高性能を売り物に登場したホンダN360(31馬力)に対抗し最高出力を32馬力とした高性能なSSが誕生しています。