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「演歌の世界」ばかりが「デコトラ」じゃない! いま波がキテる「アメリカンカスタム」とは

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TEXT: トラック魂 編集部  PHOTO: トラック魂 編集部

2)アメリカンに魅せられた女子トラッカー/日野レンジャープロ

 一般雑貨を運ぶ、働き者の姫トラ車(女性ドライバートラックをそう呼ぶそうだ)のステアリングを握るKさんの日野レンジャープロ。「ワイド仕様なのでデコトラにしようかと思ったのですが、US仕様にしてみました」。アメリカンに架装された日野レンジャープロ

 このレンジャープロがアメリカンたる所以のひとつがフロントマスク。ウインドウの上に奢られた「ドロップバイザー」や、その上に並べられたマーカーランプもアメリカンカスタムらしい雰囲気を出すのに効果抜群。フロントバンパーにはスチールスポイラーを装着し、重厚感をだしている。キャビン上に奢られたドロップバイザーとマーカーランプ

 左右ドアの寝台窓には荷物を持つオリーブと花を持つポパイの絵が描かれているのだが、女性ドライバーなので、あえてオリーブに荷物を持たせているのだという。米国仕様のサイドミラーには、同じく米国製の新作というアンテナを合わせて装着している。米国仕様のサイドミラーと米国製アンテナが付けられた日野レンジャープロ

 いわゆる「腰下部分」にも注目で、例えば長物にも対応させた米国風のデザインで仕上げた工具箱やフレームに台座を取り付け、燃料タンクをやや外側にオフセット。ボディから吊らずに固定している。ホワイトレタータイヤも和製デコトラではまず見ないカスタム。ちなみにここはKさん自らハンドメイドしたという。自作でホワイトレター化した日野レンジャープロのタイヤ

 リアフェンダーの後方には11発のテールランプを並べている。さらに荷台の観音扉を開けると自由の女神と星条旗が。気分はとことんアメリカンだ。観音開きの荷台ドア内側に自由の女神と摩天楼のペイント

3)ペイントとメッキ使いで「らしさ」全開/日野スペースレンジャー

 和風のデコトラもこよなく愛する筋金入りのトラック好きのYさんは、「オールドスタイル」と呼ばれている古いアメリカンコンボイも好き。そんな背景もあって現在の「アメリカン仕様」に至ったという。「以前に乗っていた“レトロアート”のデコトラ(いわゆる一般的なデコトラ)の時よりは『爽やかになったね』ってお客さんに喜ばれます(笑)」。

 アイボリーとブラウンで塗装されたキャビンでは、コンボイなどで使用されている角目4灯のヘッドライトを輸入して取り付け。ドロップバイザーと丸ビッグ、ルーフマーカーも違和感なく収め、小振りな風防もアイボリーで塗装。あえてかすれたような仕上がりを見せる、味のあるペイントも特徴だ。

 メッキをかけたワイパーまわりやAピラーのダミースポットライトは、旧いトラックやローライダーなどを参考に。フロントパネルをスッキリとスムージング。コーナーレンズにはピンストライプを奢りアメリカンに。

 変化をつけるためにアイボリーで塗ったアオリに赤系のラインを追加。左右に取り付けた燃料タンクにはリアフェンダーと同様にブラを装着。フレームのピンストライプと縞板仕様の工具箱、フレアラインが描かれた米国製のホーンもアイキャッチとして十二分。ワイヤーホイール仕立ての後輪はイベント仕様とのことだ。

 新調したというリアの観音扉からもレトロアメリカンな雰囲気。米国ではフレームにテールランプを装着するため、センターよりにランプ類を集結。バック時にはドクロの目が光る。次なる課題はリアまわりとのこと。「できるだけ本場のアメ車に近づけたいけれど、日本車なので難しいですね」と苦労話を聞かせてくれた。

 このようにド派手なスタイルからシンプル系まで、同じ「アメリカン」でもそのアプローチ方法は全く異なる。和装デコトラばかりを見てきた我々からするとただ驚くばかり。

 そして最初に紹介したとおり、トラックカスタムにはユーロスタイルというのもある。これは近日改めて紹介していきます。

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