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バンパー角で渦を作る「髭」! 「カナード」がもたらす意外な効果とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: GTA、Auto Messe Web編集部

ホイールハウス内の空気を引き抜く働きがある

 レーシングカーやチューニングカーのフロントバンパーの脇についている小さな空力デバイスは、フロントカナードというパーツだ。見た目がレーシーで、ドレスアップパーツとしても魅力があるけれど、空力的にはどんな理屈で、どんな効果があるのだろうか?

カナードはウイングとは原理と狙いが違う

 レーシングカーにカナードを取り付ける理由は、想像通りダウンフォースを得るため。ダウンフォースというと、翼の上面と下面を通る空気の流速の違いを利用し、走行するクルマを地面に押しつける “ウイング”が真っ先に思い浮かび、このカナードも小型のウイングの一種と思うかもしれないが、じつは原理と狙いはまるで違う。86 TRD 14R-60に採用されたカナード

 カナードは他の空力パーツと違って、空気を整流するものではなく、ボディサイドに強い渦=ボルテックスを作って、ホイールハウス内の空気を引き抜く働きがある。市販車や市販車ベースのレース車両、いわゆるツーリングカーの場合、タイヤにぶつかった空気はタイヤの前面で高い圧力になり、ホイールハウスの中で逃げ場がなくなり車体を持ち上げる力=リフトフォースとして作用する。同時にボディ下面の圧力も低減させるので、車体を不安定にさせてしまう……。SUPER GTに参戦する日産GT-Rのレーシングカーにも採用

 それを解消するために、カナードは、あえて強い渦を発生させて、ホイールハウス内の空気を引き抜くために開発されたエアロパーツだ。具体的にどのぐらい効果があるのだろうか。

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