オリジナリティを追求できる技アリなカスタマイズ
カスタマイズの大本命として、マフラー交換は昔から定番のメニューだ。チューニングパーツとしてエンジン性能がアップするのはもちろん、心地いいサウンドやスタイリッシュなルックスも得られるなど、交換効果は大きい 。
ただ、最近のクルマは環境対応や燃費性能で厳しいハードルをクリアせねばならず、エンジン制御が高度に進化している。マフラーをポンと交換するだけでパワーアップするのは難しく、本気でチューニングするには総合的なパーツコストがかかってしまうのだ。
もう一つの問題が「騒音規制」。ひと昔前のマフラーは「保安基準」に適合していれば(穴が空いているなどの致命的な不備がなければ)車検も難なくパスできたが、2016年10月以降の新型車は「性能等確認済表示(認証プレート)」がないと、そもそも車検に通らない。もちろんそういったマフラーを買えばなんら問題ないのだが……。
そうなると「じゃあ見た目だけカッコ良くなればいい」と思うのは当然の成り行きで、そこで登場するのがマフラーカッター。カッターで出口だけドレスアップすれば、見慣れたリヤビューも引き締まって見える。実際、ノーマルの性能や音量に不満がなく、近隣への配慮やオーディオを重視したい人は純正マフラーのままで、カッターに交換というのが一般的。エアロに見合ったルックスを求めるだけなら、コスト的にもマフラーカッターの装着が最善といえる。
車検上でも脱落の危険性はチェックの対象
では、実際にはどのようなマフラーカッターがあるのだろうか? もっともポピュラーなのは汎用タイプで、純正マフラーエンドにイモネジや金属バンドで固定するものが主流となっている。純正マフラーの出口が下向きに隠れているものを、水平な出口にしてテール形状を主張する製品もあり、素材やデザインが選べるのも魅力的だ。
装着の際に注意したいのは、やはり脱落の危険性。適合サイズを選んで正しく固定するのはもちろん、万一に備えた脱落防止ワイヤーを同梱する製品を選ぶのも賢い選択だ。なお、車検上でも脱落の危険性はチェックの対象! 最低地上高やバンパーからの突出も制限があるので、保安基準に適合するよう装着しよう。
ドレスアップシーンで人気の車種ともなると、専用設計のマフラーカッターがリリースされている。ノーマルが片側出しマフラーでも、ダミーの出口で左右出しを演出できる製品もあり、より高度なドレスアップが可能だ。特にエアロブランドが専用設計で用意するマフラーカッターは、同社エアロとのマッチングは完璧! 簡単にスタイルアップできるアイテムとして、多くのユーザーがエアロと同時購入している。
そして、究極ともいえるのがワンオフ製作の溶接マフラーカッター。もともとはワンオフマフラーのテールエンドを好みで選んでいたものを、あえて純正マフラーのテール加工というニーズに特化したものだ。一見すれば高価なオリジナルマフラーに見えるが、中身は安心の純正マフラー! ワンオフマフラーよりコストを抑えつつ、オリジナリティを追求できる技アリなカスタマイズといえるだろう。