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「車いす」移動派必見! 軽からミニバンまで最新車5台の特徴とは

自動車メーカーそれぞれの個性ある福祉車両

 福祉車両と呼ばれるクルマにはいくつかのタイプがあるが、今回は車いすのまま車内に乗れる種類の車両を紹介しよう。車いすに乗ったままの人が同乗できるタイプの福祉車両は一般的に2種類ある。

 ひとつは、車いすを1台乗せるタイプと複数台乗せられるタイプで、前者はプライベートユースも含めた広い範囲で、後者は福祉介護施設での送迎や移動に使われることが多い。今回注目するのは、前者の1台を乗せるタイプだ。

 まずお伝えしたいのは、今回の記事は車体サイズや価格を軸にして同クラスのライバルと徹底比較する類のものではないこと。「車いすを1台乗せるタイプ」のなかから、大きな特徴があるものを5台ピックアップし、その長所を伝えることに徹したものだ。

1)ホンダN-BOX

 ホンダN-BOXはいま、日本で最も売れている乗用車。小さな車体とは思えない広い室内空間が自慢の軽自動車で、年間20万台以上が販売されている。そんなN-BOXにも車いすに座った人を乗せて移動できるモデルを設定。価格は157万5640円からだ。

 そんなN-BOXのライバルに勝る特徴が、シートアレンジの実用性。後席を床下へ折り畳めるから、車いすを乗せても周りが広々としているのだ。ライバル車はタンブル収納式に折り畳んだ後席が車いすに座った人の前の空間を狭める、もしくは空間を広げるために後席を外す必要がある。

 また、設定しているグレードの種類が豊富なのも魅力。装備仕様はエントリーグレードの「G」とミドルグレードの「GスロープL」が選べ、エンジンは自然吸気のほかターボ、駆動方式はFFと4WD、そして外装は標準タイプとカスタムが用意されている。

2)スズキ・エブリイワゴン

 軽自動車のワンボックスタイプ(乗用車モデル)にはスズキ・エブリイとダイハツ・アトレーがあるが、注目はエブリイだ。その特徴は後席のアレンジ幅が広いことである。エブリイもアトレーも前席2人に加えて後席に車いす1名とさらにもう1名(計4名)の乗車が可能だが、アトレーでは“リヤシートレス仕様”しかそのアレンジができない。

 しかも、その仕様は一般的な軽自動車と同様となる、後席に車いすではない人が2人座るアレンジはできないのだ。しかしエブリイなら後席アレンジの自由度が高く、後席に車いす1名+シート1名の乗車はもちろん、車いすの人を乗せないときにはシートに2名の乗車も可能。状況に合わせて使い分けができる後席の利便性が特徴だ。

3)トヨタ・シエンタ

 コンパクトミニバンのトヨタ・シエンタにも車いすに座った人が同乗できるタイプが用意されている。シエンタは3列シートがメインのクルマだが、車いす仕様は2列モデルだけの設定がなされている。車いすを車内に乗せる際は、2列目シートの1部を倒すことになる。

 そんなシエンタの車いす仕様の特徴は、価格がリーズナブルなこと。ベーシックなタイプなら、助手席セカンドシート付のモデルでも213万円と軽ワンボックス乗用車タイプ+αの値段で購入できるのだ。

 しかもリヤには標準でエアサスペンションを組み込んでいて、乗り降り時のスロープの角度が緩やかのも魅力。軽自動車より大きなサイズの車いす仕様車を割安に買いたいという人にオススメだ。

4)ホンダ・フリード

 ホンダ・フリードは通常モデル(車いす仕様車ではないタイプ)はコンパクトな3列シート車としてトヨタ・シエンタのライバルに相当する。しかし、車いす仕様車では方向性が異なるのが興味深い。シエンタの車いす仕様車は3列シートではなく2列シート(車いすは2列目に乗せる)のみだが、フリードは車いす仕様車であってもあくまで3列を貫く(車いすは3列目に乗せる)。

 だから2列目までは、車いす仕様車ではない通常モデルと同じシートを搭載し、同様の使い勝手を実現しているのが長所だ。さらに、シエンタにはないハイブリッドモデルも選択できる。その2つがシエンタとの大きな違いだ。

 コンパクトタイプで2列目シートまで通常モデルと同じシートを備えている車いす仕様車が欲しい。もしくはコンパクトボディでハイブリッドの車いす仕様車が欲しいとなったら、選択肢はフリードしかないのだ。

5)日産セレナ

 3列シートミニバンとして高い人気を誇る日産セレナ。ミドルクラスのミニバンで室内空間が広く、車いすは2列目に乗せる仕様(2列目と3列目に乗せるタイプもある)と3列目に乗せる仕様を選択できる。後者であれば、車いすの積載時は3列目を格納、車いすを乗せない時は3列目のシートを展開することで通常のミニバンと同じ使い勝手を手に入れているのがポイントだ(以上の長所はライバルに相当するホンダ・ステップワゴンやトヨタ・ノア/ヴォクシーなども備えている)。

 さらに注目は、ハイブリッドも選べること。車いすを3列目に乗せる仕様だけに限定されるものの、e-POWERと呼ぶ人気のハイブリッドも設定。このクラスの車いす積載モデルにおいて、唯一のハイブリッドという選択肢だ。ハイブリッドは燃費の良さに加え、静粛性が高く、加速が滑らかで力強いのも魅力。選択肢が広いのはうれしい。

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