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クルマを傷めず「ドラテク」が学べ「Bライ」まで取れる! お得感満載のJAF公認競技 「オートテスト」って何?

特別な装備不要で参加できるモータースポーツ

 「専用のクルマやウェアが必要」「事故の可能性も多い」。サーキット走行をはじめとするモータースポーツに対して敷居の高さを感じるのは、おそらく上記のふたつが主な理由だと思う。

 でも通勤に使っているマイカーで特別なチューニングやカスタムも不要、おまけに普段着で参加できる競技があるとしたら? 実はいま、そんな競技がにわかに人気を集めているのだ。

駐車場や空き地が競技場所

 モータースポーツ好きであってもあまり聞き慣れない「オートテスト」と呼ばれる競技。日本で始まったのは数年前と日が浅いが、発祥の地であるイギリスでは50年を超える歴史があり、現在も入門カテゴリーとして根強い人気がある。まずはその競技の内容から解説していこう。

 競技と言っても実施場所は駐車場や空き地のような広場がメインで、そこにカラーコーンなどでコースを作るのが一般的。スタートからゴールまでのタイムを計測するのはほかのカテゴリーと一緒だが、あまりスピードが出ないよう配慮してレイアウトされ、バックで走る区間や教習所で学んだ縦列駐車なども設けられる。

 カラーコーンに接触すればペナルティでタイムが加算され、駐車も決められた枠に収まらない限り何度でもやり直し。つまり速さだけじゃなく運転の正確さ、そして緻密な車両感覚が求められる競技なのだ。

ヘルメットもグローブも不要

 では次に敷居が低いといわれる理由を挙げていく。オートテストはレースのように何台もの車両が一斉にスタートするのではなく、単独走行なのでほかの車両にぶつかる可能性がない。また上で書いたとおり必然的に最高速度が抑えられているうえ、接触するとしてもカラーコーン程度なので車両へのダメージはほぼない。

 そしてビギナーの心理的なハードルを下げてくれる一番の要素は、車両に特別なチューニングは不要で、フルノーマルで参加できること。それがサーキット走行であれば最低限ブレーキパッドにタイヤ、また車種によっては水温や油温の対策が必要になる。ところがオートテストは走行時間が短く速度も低いため、クルマにかかる負担は比較にならないほど小さい。

 さらに服装についても運転しやすいシューズさえ履いていれば問題なく、レーシングスーツやグローブどころかヘルメットすら不要。クルマとドライバーは普段の通勤や買い物に使っている状態で大丈夫だし、1台の車両で複数名がエントリーしたり助手席に誰かを乗せることも可能と、ほかのカテゴリーではあり得ないことばかりだ。

完走者は国内B級ライセンスが取得できる

 参加料金も開催場所によって差はあれど3000円〜と安価で、完走者は国内B級ライセンスが取得できたりと、次のステップへ進む道も用意される。ここ数年で国内B級ライセンスの発給数が増えているのは、間違いなくオートテストが影響しているだろう。

 実施クラスはマニュアルとオートマ、経験者と未経験者などで分けられ、上位に入賞すればレースと同じように賞状などが贈られる。敷居こそ低いがモータースポーツらしさがキチンと味わえるのも、オートテストが多くの人に支持される理由だろう。

 なお2020年は新型コロナウイルスの影響で、日程の大幅な変更を余儀なくされている。最新のスケジュールはJAFのウェブサイト(http://jaf-sports.jp/autotest/)に掲載されているので、参加してみたい人はチェックしてほしい。

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