味付けをする依頼先の技量がカギになるECUチューン
点火時期もタイミングが遅いとエンジンはダルく、また重たくなり、点火タイミングが早いとノッキングが出て、エンジンブローの原因になる。理想は、ピストンが上死点をちょっとだけ過ぎたところで燃焼圧が最高になるタイミングで着火させること。
混合気は着火してすぐに燃焼するわけではなく、また高回転になるほどガスの流動速度が速くなって、火炎速度も上がるので、ちょうどいいタイミングで点火させるのは容易ではないが、そこがチューナーの腕の見せ所。さらにスピードリミッターのカットやREVリミットの変更などもコンピュータチューンの主な仕事。
そのほか最新のクルマでは、可変バルブタイミングの変更や電子制御スロットル開閉度の最適化、ラジエター電動ファン動作ポイントの変更、オートクルーズ設定速度の変更が可能だ。ターボ車であれば、ブースト圧のコントロールなどコンピュータチューンで調整することができる。
データ書き換えの場合、費用は約10万円~で、通常は日帰りでセッティングOK。セッティングの決まったコンピュータチューンは、パワーもレスポンスも確実に体感できるほどよくなって、燃費もノーマルより向上することが多いほど。
さまざまなチューニングメニューの中でも、コストパフォーマンスはピカイチだ。ただし、コンピュータチューンに対する考え方は十人十色で、同じ仕様の同じ車種であっても、チューナーによってセッティングの中身はかなり違う。経験値が高く、研究熱心で、センスがいいチューナーのコンピュータなら、パワーもフィーリングも文句なく、トラブルが出る心配もないが、そうでないチューナーがいじったコンピュータだと、効果が体感できなかったり、エンジンが不調になったりというリスクもある。
というわけで、コンピュータチューンで一番重要なのは、どのチューナーに依頼するかということ。まずは自分の車種について精通していて、ネット等での評判がよさそうなところをピックアップし、最後はお店に行って直接相談し、メリット・デメリットについてレクチャーを受け、話を聞いたうえで納得できればオーダーするようにすればいい。いいチューナーに巡り合えるかどうかが、コンピュータチューンの一番のポイントだ。