愛車のヴィッツで初サーキット
2018年4月、強風で倒れた案内板の下敷きとなり、脊髄損傷により車いす生活を余儀なくされながらも、それまでと同様に地下アイドル「仮面女子」として活動を続けている猪狩ともかさん。2020年9月2日、千葉県・袖ケ浦フォレストレースウェイで、健常者・障がい者が分け隔てなくサーキット走行を楽しもうという趣旨のもとに開催されている「HDRS」に参加した。
「HDRS(ハンド・ドライブ・レーシング・スクール)」は、車イスレーサーの青木拓磨選手が障がい者でもサーキット走行を楽しめる機会を、と進めているプロジェクトで、2011年から始めている活動のひとつ。年に数回、この袖ケ浦のサーキットを中心に、各地のサーキットで開催をしているもの。
障がい者の方々が実際に普段使用している車両を持ち込んで走行できる。また、青木選手は、日産マーチカップ(K12型の3代目マーチによるワンメイクレース)で使われていたカップカーをベースにHDRS用に運転補助装置を装着した車両も用意し、実際にMT車での走行を体験する場も提供する。今回は、青木選手とともに、レーシングドライバーの山田遼選手も講師として参加している。
初めて手動装置で首都高速を走行しサーキット入り
実際にこのHDRSでは、まず、一般道とは異なるサーキットでの走行も見据えた基本レクチャーを受けた後、先導車付きの走行でのコース体験走行を経て、3本のフリーの走行セッションが設けられている。