【3代目・Z31型】直6からV6にスイッチ。ウェッジシェイプなスタイルも魅力
1983年にデビューした3代目フェアレディZ(以下Z31)は、先代までの丸みを帯びた伸びやかなスタイリングからウェッジシェイプの効いた直線基調に刷新。突起物を減らしたボディはCd値を0.39から0.31まで飛躍的に向上させるなど、洗練されたスポーツカーに生まれ変わった。当時はエンジンを含めたマネージメントの電子制御化が進み、それにともなってパフォーマンスが大幅向上していた時代。それにともなってそれを受け止めるための高いシャシー性能も重要視されるようになり、クルマとしてのパッケージは飛躍的に向上した。
エンジンは従来の直列6気筒SOHCの2L、2.8LからV型6気筒SOHCの2Lと3Lに変わり、パワー競争戦線で勝ち抜くために全車ターボ化。最上級の3Lターボを搭載する300ZXは230ps/34kg-mと国産最高馬力を誇った。サスペンション型式はストラット/セミトレとS130Zを踏襲したが、各部に大幅な手が入れられて熟成。ダンパーには減衰力を3段階に切り替える3ウェイアジャスタブルショックアブソーバーを装備し、スタビリティとハンドリングを両立させるなど日産のフラッグシップスポーツに相応しい性能を手に入れている。 1985年にはマルチバルブ化が著しいスポーツカーマーケットにおいて、2Lモデルの戦闘力を高めるべく、スカイラインに搭載された直6DOHCターボを投入。180ps/23kg-m(ネット)と十分な戦闘力を得たことで2Lモデルの販売増に貢献。また、直6とV6の2つのエンジンを選べる魅力的なモデルになった。
1986年のマイナーチェンジでは、時代の流れに合わせてストレート基調から少し丸みを帯びたフロントフェイスにスキンチェンジ。DOHC化の流れに合わせて3LにもVG30DEエンジン(190ps/25.0kg-m・ネット)を追加するなど、精力的にスポーツカーとしての魅力をブラッシュアップし続けた。
Z31は欧州車に肩を並べるべく、日産自動車開発陣がチャレンジし続けたスポーツカー。そしてその想いは次世代のZ32で花開くことになる。